飼い主向け2022.05.02

夜間救急、24時間体制の病院はどのような病院?

突然ペットの具合が悪くなったり、変なものを食べてしまったり、怪我をしてしまったり。動物を飼っているといつ何時トラブルが起きるか予測できません。
夜中や休日に万が一ペットの容態が変化したときに便利であるのが、救急対応を行っている病院です。
救急病院とはどのような病院なのかについて、今回は解説したいと思います。

目次

  1. 救急病院とは
  2. 早急に救急病院にかかるべき例
  3. もし夜間にペットの具合が悪くなったら
  4. いざという時慌てない為に!普段から用意・チェックしておくもの
  5. 金額はどれくらいかかる?
  6. 近年閉鎖する病院も
  7. 旅行先でもチェックしておきましょう
  8. まとめ

救急病院とは

夜間や休日に突然ペットの具合が悪くなったら、みなさんどうしますか?かかりつけの病院は閉まっている、お休みで診てもらえない・・・といったトラブルは、ペットを飼っていると稀に遭遇します。そんなときに助かるのが、救急病院です。
救急病院と呼ばれる病院には様々な種類があります。かかりつけ病院への病状の引き継ぎをきちんと行ってくれる病院も多いので、きちんと相談しましょう。

①夜間のみの開院
夜間のみ開院している、夜間救急病院です。主に近隣病院が閉まる19時頃から朝5時頃まで開院している病院が多いです。夜間のみの営業なので、朝には一度お迎えに行き、昼間はかかりつけ病院へ転院する必要があります。

②24時間開院の病院
24時間営業しており、夜間も昼間も担当スタッフがおり管理されている病院です。夜間に受診して次の日もそのまま入院させることもできます。たくさんのスタッフが働いており、24時間管理してもらえるので安心できますが、その反面診療費が少し高額であることもあります。

③地域で運営している当番制
地域で当番病院を設定し、持ち回りで担当している場合もあります。自分のかかりつけが当番の日はラッキーですね。各病院で備えられている設備に差があること、夜間に獣医師以外の看護師も確保できる病院は少ないため、処置に制限が出てしまうと行ったデメリットもあります。

④往診病院
24時間対応している往診病院もあります。自宅に来て診察を行ってもらえるメリットがありますが、できる検査や処置に制限が出てしまうこと、入院できないため家族がきちんと管理しないといけないというデメリットもあります。

早急に救急病院にかかるべき例

夜間や休日に、以下のような症状がみられた場合は緊急性がありますので、早急に救急病院へかかってください。

・呼吸がおかしい、舌の色が変、寝られない
安静時にもかかわらず呼吸の回数が40回/分以上である時。
舌の色が紫や白い色、いつもと明らかに違う場合。
いつも寝ていたのに、寝られずにウロウロする。

・ぐったりしていて反応が薄い
ぐったりと寝てしまい、自力では動かない(動けない)。
声をかけたり好きなおやつを見せても反応が薄い時。

・異物を誤食した
おもちゃや骨、タバコや紐など、異物を食べてしまった場合(できるだけ早く)。

・血が止まらない、大きな怪我をして痛がる
怪我をして血が止まらない。痛がって鳴く。

・発作時間が長い、発作を繰り返す
発作の時間が長い(5分以上)。数時間のうちに発作を何度も繰り返す。

・熱がある、身体が冷たい
身体を触ると熱い/冷たい。じっとして動かない。食欲がない。

もし夜間にペットの具合が悪くなったら

もし夜間や休日にペットの具合が悪くなったら、まずどうすれば良いのでしょうか。

・持病がある、少しでも心配なら受診を
まず持病がある子は、持病の悪化による体調変化が考えられますので、できるだけ早く受診したほうが良いでしょう。また大丈夫かな?と思っていてもどんどん症状が悪化していくケースも多いので、できるだけ早く軽度なうちに受診することがポイントです。
昼間に異変を見つけたら、夜間まで様子をみると救急病院へ行かなくてはならないこともありますので、できるだけかかりつけが空いている時間に受診しましょう。

・地域の救急病院を検索しておく
自分の住んでいる地域の、夜間/休日営業している病院を調べておきましょう。
急変した場合、移動中に亡くなってしまう場合もあります。地域の救急病院が少し遠い場合もありますので、おかしいな?と思ったら早めに受診しましょう。

・まずは電話で受診の旨を問い合わせる
救急病院へ行ったほうが良いかな?と思ったら、まず地域の救急病院へ電話で問い合わせをしましょう。混雑していたり重症な急患が運び込まれていると、時間を指定されたり病状によっては断られることもあります。

・検査結果や服用中の薬があれば、明細と共に持参を
今までの検査結果や現在服用中の薬がある場合は持参しましょう。救急時の診察の助けになります。領収書や明細に薬品名が記載されている場合もありますので、保管しておくことをおすすめします。

いざという時慌てない為に!普段から用意・チェックしておくもの

ペットの具合が悪くなってしまうと、どんな人でも慌ててしまうでしょう。
突然急変したときに備えて、普段から準備しておくと良いものを紹介します。
自分以外の家族がすぐに病院へ連れて行くことができるような準備も大切です。

・かかりつけ病院の診察券、保険証
いつも通っているかかりつけ病院の診察券は、カルテの番号や病院詳細が乗っていることが多いので家族の目に留まるところに準備しておきましょう。
救急病院でペット保険が利用できるところも多いので、保険証もしっかりと用意しておきましょう。

・直近の検査の結果、予防歴など
最近血液検査や尿検査等をした履歴があれば検査結果を、各種予防履歴の証明書も用意しておきましょう。

・内服中の薬
現在内服中の薬があれば薬を持参しましょう。薬品名がわからなくても錠剤を見れば予測することができますので、緊急時には持参することをおすすめします。

・診療明細
かかりつけの診療明細は、いままでどのような治療を行っていたかがわかるため、持参すると診療の参考になることがあります。薬品名等を記載している場合もありますので保管しておきしましょう。

・ペットの身体チェック
普段からペットの身体チェックをしておくこととても重要です。ペットの健康状態は家族で共有しておきましょう。救急病院へ受診した際、いつも病院へ連れて行っているお母さんがいないのでわからない・・・といった事態はよく見受けられます。いつどんな状態で病院を受診したのか、持病の状態も家族で共有しておくといざという時に役立ちます。

金額はどれくらいかかる?

救急病院は受診した際、どれくらいの金額がかかってしまうのか不安になりますよね。病院によって料金設定はまちまちですが、診察料金(時間外料金)として1万円前後、その他に検査代や処置代がかかります。平均3万〜5万円ほどが多いようです。緊急外科手術となった場合は15万円以上になります。
検査や処置によっても大きく金額が変わってきますので、クレジットカード決済ができる病院が多いです。

近年閉鎖する病院も

救急病院は近年閉鎖する病院も多いようです。需要はかなり多いと感じますが、原因はなぜでしょうか?

・人手不足
夜間の時間帯であると、昼夜逆転の生活となってしまいなかなかスタッフが集まらないことが多いようです。一定数のスタッフが集まらないときちんとした医療が提供できないため、苦渋の決断で夜間部門が閉鎖される例も多くあります。

・クレームが多い
救急診療は一刻を争う症例が多く、その場合病態の進行も早いため助けられない命も多くあります。高額な夜間診療費を払ったのに亡くなってしまった、必要ない検査をされた、といったクレームも多いようで、ストレスで辞めてしまうスタッフも多く、人材の確保が難しくなってしまう病院もあります。
クレームが来るくらいなら・・・と夜間診療を辞めてしまう中小動物病院も近年多く聞きます。

旅行先でもチェックしておきましょう

もし旅行にペットを連れていく場合、旅行先でも受診できる救急病院を調べておきましょう。旅行に行くと環境の変化で体調を崩すペットは多く、出先でどこを受診すればよいのかわからず困ってしまう状況はよくあります。

まとめ

今回は救急病院の特徴や、どんな時に救急病院へ連れていけば良いのか、普段から気をつけるべきポイントなどをご紹介しました。
いざという時にパニックにならないよう、普段から万全の準備をしておくことが重要です。

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