獣医師の待遇と展望2022.02.01

【2024年最新】獣医の年収・給与、市場の見通しについて

賃金構造基本統計調査によると動物の医師である獣医師の令和元年の平均年収は約550万円です。
同令和元年発表の日本人の平均年収は436万円であるため、平均より給与水準の高い職業であると言えるでしょう。
株式会社クラレが2020年7月に発表した『2020年版 小学6年生の「将来就きたい職業』では女の子で9位にランクインするなど人気の高い職業です。
一方で、年収が1000万円以上である人を診療する医師と比較すると水準は低いようです。

本記事では獣医師全体の給与水準や、男女別・年齢別の年収、今後の市場見通しについてをご紹介いたします。

目次

  1. 獣医師の平均的な給与水準
  2. 男女別・年齢別の年収
  3. 獣医師と人を診療する医師の年収差について
  4. 今後の市場見通しについて・年収をあげるために

獣医師の平均的な給与水準

厚生労働省が報告している「令和4年 賃金構造基本統計調査」によると獣医師全体での平均年収は5,472,000円です。

日本人の平均年収436万円に対して100万円以上高い給与水準であり、月額の給与も40万円以上となっています。時間外の労働時間も平均未満と言えるでしょう。

獣医の平均年収統計(令和元年 賃金構造基本統計調査 回答者数2,360名)

平均年齢           |40.5歳
勤続年数           |9.2年
1ヶ月の労働時間       |165時間
1ヶ月の超過労働時間     |10時間
月額給与(所定外労働時間含む)|405,600円
年間賞与           |604,800円
平均年収           |5,472,000円

男女別・年齢別の年収

「令和4年 賃金構造基本統計調査」に基づく男女・年齢別の年収は以下のとおりです。
男性のほうが女性より年収が高い傾向があります。
男性では50~54歳で年収のピークを迎え850万円を超えてきます。一方、女性では45~49歳が年収のピークとなり、730万円を超えてきます。

50~54歳の日本男性の平均年収は682万程度と言われていますので、それと比較しても高い水準であると言えるでしょう。また、女性においても45~49歳の日本女性の平均年収は326万円程度であるため、女性平均の2倍以上の金額となり、かなりの高収入です。

一方、一部のセグメントにおいて回答数が十分でないことがあり、必ずしもこの通りの推移ではないことには注意が必要です。

獣医師と人を診療する医師の年収差について

冒頭で記載したように獣医師全体の平均年収としては550万円ほどです。対して、人間を診療する医師は通常1000万円を超える年収となります。

獣医師の年収が医師と比較して高くならない理由としては、
・動物病院が保険の適用外であること
・ペット数に対して獣医師の数が飽和状態であること
があげられます。

人を相手にする病院では、通常保険が適用され、治療費の3割を患者が負担すればよいため、少額で済むケースがほとんどであり、通院の金銭的ハードルが低くなります。一方、動物の場合、ペット保険に加入しなければ全額負担する必要があります。そのため、人が病院に行く以上に金銭的なハードルが高く、躊躇してしまうケースがあるようです。そのため、動物病院は治療費を下げることと利益を確保するという、一見相反することを実現しなくてはなりません。

また、動物病院の施設数は純増傾向にあるにも関わらず、ペット数は横ばいとなっており、獣医師が飽和傾向にあるために、給与水準が高くなりません。

このような状況のなかで医院長以外のスタッフの人件費を確保するとなると、収入は高くなりにくいのが現実です。

今後の市場見通しについて・年収をあげるために

前項で獣医師は飽和状態にあると説明しました。その一方で、実は市場規模としては微増傾向にあります。これは飼い主がペットにかける金額が増加している傾向があることを表しています。

そのため、市場ニーズを調査し、把握している動物病院であれば今後も収益を伸ばしていくことが可能です。獣医師が今後年収を上げていくためには、そういった病院を探し出し、そこで経験を積むこと、また、そこでの経験や知見を活かし自らが市場ニーズに沿った経営ができる病院を開業することが必要になってきます。

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<出典>
・株式会社クラレ 小学6年生の「将来就きたい職業」
・令和元年 賃金構造基本統計調査

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