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求人情報からわかる大学別研修獣医師の特徴|大学病院で働くメリットも解説

獣医師免許をもらったあと、多くの獣医師は一般の動物病院に就職することが多いと思います。
確かに、たくさんの動物病院があるので選択肢も多く、一番就職しやすいものだと思います。
しかし、多くの大学病院では毎年「研修医」を募集しています。
「大学病院での研修医って大変そう」「何もわからないのに行っていいの?」など疑問もいっぱいあると思うので、ここでは大学病院の研修医について、そしてそのメリットについてお話していきます!
大学病院の研修獣医師の特徴|求人募集からわかる傾向
≪北海道大学獣医学部附属動物病院(小動物獣医療センター等)≫
北海道大学では、
- 全科ローテション:すべての科を回る
- 専科:専門診療科を選択でき、より知識や技術を深めることができる
の2つの形の研修医制度が存在しています。
年に2回の応募がありますし、新人獣医師ももっと深い知識や技術を学びたい獣医師にもいい環境になるのではないでしょうか。
また北海道大学は人気の研修場所でもあるので、ぜひ出願前には見学をおすすめします。
アメリカの専門医をお持ちの先生も在籍されていますので、外国を視野にいれている獣医師のみなさんにとってもいい機会になるかもしれません。
≪帯広畜産大学 動物医療センター≫
帯広畜産大学の研修医は2年間のコースになります。
1年目では全科ローテーションを行い、獣医師として幅広い視点や考え方を学び、
2年目で専科研修医になることができるので、自分の興味のある分野を深く学ぶことができます。
ただし、1年毎の更新で、募集は1年に1回、3月に募集があります。
≪酪農学園大学附属動物医療センター≫
1年間に1回の募集になりますが、採用日や採用期間は要相談になります。
プログラムの内容としては、全科ローテーションと専科がありますが、もし検討している場合はしっかりとプログラムの内容を確認すべきでしょう。
また夜勤と宿直も研修医の仕事に含まれます。
≪北里大学獣医学部附属動物病院≫
北里大学の動物病院は青森にあります。
こちらのプログラムは
- 全科ローテーション:2年目以降も継続可能
- 専科:2年目以降で選択可能/経験者は1年目から選択可能
になっております。
1年ごとの更新で、募集は1年に1回、4月からのスタートとなります。
≪岩手大学 農学部附属動物病院≫
岩手大学は「小動物」と「大動物」の研修医の募集があります。
ここでは「小動物」の研修医について言及させていただきます。
募集および開始時期は「随時」ですので、希望する獣医師の都合に合わせていつでもスタートすることができます。
基本的に2年間のプログラムになっていて、最初の半年は内科と外科を中心に獣医師全般を学び、後半から希望すれば専科で学ぶことができます。
2年目はさらに専科で知識や技術を深めることができます。
臨床経験がすでにある獣医師の場合は、専科を最初から選択することも可能です。
ぜひ気になった方は問合せてみてください。
≪東京大学附属動物医療センター(VMC)≫
2026年度の願書は11月に締め切ってしまいましたが、2027年度の募集が来年の夏~秋ぐらいに出る可能性があります。
東京大学の研修プログラムは、「外科系」と「内科系」に分けられています。
また、人気の研修場所の一つですので、出願する前には見学を推奨されているので、ぜひ一度気になる方はぜひ見学をしてみてください。
研修医・スタッフ募集 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 附属動物医療センター
≪東京農工大学 農学部附属動物医療センター≫
研修期間は2年間で、2種類の研修プログラムがあります。
- 総合獣医研修医 3つのコースがあります。
- ①コース1:オールマイティな知識を身に着ける
- ②コース2:1年目は外科、内科/総合診療科、放射線の3つから希望しローテション、2年目は専科で診療
- ③コース3:希望の診療科専属で働くことができる
- 単科獣医研修医:週1回専門の希望する科で研修をうけることができる
どちらも1年ごとの更新となっており、セミナーや研修会を定期的に開催しているようですので、勉強出来る機会が多く、自分の希望や働き方に合せてコースを選ぶことができそうです。
≪日本獣医生命科学大学 動物医療センター≫
現在募集はしておりません。
全科ローテーションと専科があり、2年間の研修期間となっていると思います(1年ごとの更新)。
2年目以降もし専科をもっと勉強したい獣医師は、さらに残って勉強できるかとおもいますので、ぜひお問合せください。
研修獣医師の募集 | 動物医療センター | 日本獣医生命科学大学
≪日本大学動物病院 ANMEC≫
来年度の募集は終了していますが、研修医制度としては、
- 基礎研修:2年間(全科ローテーション)
- 専科研修:2年間(外科および内科を選択可能)
の4年間のプログラムがあります。
選考は書類審査および面接だけではなく、小論文と学説試験があります(珍しいです)。
≪麻布大学附属動物病院≫
現在募集はしておりません。
麻布大学は2年間のプログラムで、新卒~臨床経験5年ほどまでの獣医師を対象としています。
多くのセミナーを開催しており、獣医師も多数在籍していますので、多くの経験や知識を深めることが出来ます。
≪岐阜大学 応用生物科学部附属動物病院≫
研修医という名前での募集はあけておらず、「常勤獣医師」として募集があります。
ただ、新卒や獣医師経験が少ない獣医師の場合は、6か月~1年かけてローテーションを行ってその後継続希望があれば、専科でさらに働くことができます。
気になる方は直接お問合せをしてみてください。
≪鳥取大学 農学部附属動物医療センター≫
現在募集はしておりません。
≪山口大学 共同獣医学部附属動物医療センター≫
1~2年(希望すれば2年以上可能)の研修プログラムを設けています。
1年ごとの更新ですので、詳しい内容については問い合わせをしてみてください。
有給研修獣医師・動物看護師を目指す皆様へ|山口大学動物医療センター
≪宮崎大学 農学部附属動物病院≫
現在募集は行っておりません。
最終募集が2022年ですので、もしご興味ある方は直接問い合わせしてみてください。
≪鹿児島大学 共同獣医学部附属動物病院≫
現在募集はしておりません。
≪大阪公立大学 獣医学部附属獣医臨床センター≫
現在も募集は受け付けています(随時)。
対象者は臨床経験が2年未満の獣医となります。
興味のある方は見学も随時受け入れしているようですので、ぜひ問い合わせてみてください。
採用について-就職をお考えの皆さまへ|獣医臨床センター | Veterinary Medical Center
≪岡山理科大学 獣医学教育病院(VMTH)≫
現在募集はしておりません。
大学病院の研修獣医師になるメリット
1.高度で複雑な症例を多く経験できる
大学病院で研修医として働くメリットの一つに、他の一般の開業動物病院ではみることができない「高度で複雑な症例」を経験できるというものがあります。
これは大学病院が「2次病院」であること、それゆえに専門の先生方が勤務されていることから、一般の病院にくらべて(もちろん開業医の先生方も素晴らしい技術をお持ちです)、高い技術や知識を提供できる可能性があるためです。
また経済的に「いい器械」を購入することもできるので、マンパワーもありますので、より高度な治療を提供することができます。
特に多くの大学病院は、地域と連携しており、2次病院として機能していることが多いため、一般の病院では対応が難しい症例(例えば外科症例など)、診断する際に判断に迷う症例、診断に特殊な検査が必要な症例(CTやMRIなど)などが紹介されて来院されます。
なので、一般的な病気というよりは特殊かつレアな症例に接することができるので、獣医師としての経験を積むことが可能です。
2.画像診断・高度医療機器に触れられる
上記の内容と少しかぶってしまいますが、大学病院は経済的な面からいい「器械」を購入することが可能です。
もちろん最近ではCTやMRIを導入している病院酸も多くなってきていますが、やはりこれらの器械を導入するためには、器械だけではなく、被ばくしないような特殊な部屋の準備や麻酔器など付随するオプションもそろえなければいけません。
そのために、スペースの確保はもちろん、経済的な側面からも気軽に導入することは難しくなります。
さらに放射線治療などに使用する器械は、一般の動物病院では導入するとなると煩雑でかつ高価なものですので、このような器械も大学病院ならではのものです。
3.専門分野を深く学べる環境がある
大学病院は人の大学病院とにており、専門分野で科がわかれています。たとえば、内科、外科、画像科、麻酔科などです。
それぞれの科にはその分野を極めたエキスパートたちがいるので、専門分野を学ぶ機会がいっぱいあります。
もちろん研修医の条件は大学病院によって様々ですが、全科をまんべんなく回るプログラムのところもあれば、「専科」といって自分の興味のある分野の科にのみ所属して、自分の興味のある分野をとことん深く学ぶこともできます。
4.チーム医療を経験できる
上記でも述べた通り、大学病院は科がわかれているので、一つの科だけで完結することは稀です。
例えば、内科症例でも、診断のために画像科の力を借りなければいけないですし、もしCTやMRIを撮るのであれば麻酔が必要になってくるので、麻酔科の力も必要です。またもし外科が必要となった場合は、外科の力もかりなければなりません。
このように、様々な専門の先生方が集まって、それぞれの特異で得意な知識をもちよって、症例が元気になるように力を合わせて診療を行っています。
もちろんぶつかることも議論が必要になることもありますが、獣医療はチーム医療なので、まさしくこれを体感できるのも大学病院のメリットとなります。
このおかげで、獣医師としての考えも柔軟になることができますし、他者との関わり方もまた学べますので、獣医師としてだけでなく人としても成長することが出来るのではないかと思います。
5.専門医資格取得やキャリア形成につなげやすい
大学病院にはそれぞれのエキスパートたちが在籍しています。
その中には専門医などの有資格者の先生たちも多く、また大きなネットワークや人脈を持たれている先生も多くいらっしゃいます。
ですので、もし専門医や認定医の資格を目指しているならば、コネクションをつくることも可能です。
またやはり大学病院で研修医をしていたという経験は、それだけで信用につながりますので次のステップにいくためにもとても大きなアドバンテージになりえます。
実際北米レジデントへの応募要綱では、ほとんどが研修医(インターン)を修了していることが条件になっていますので、場合によっては日本でのこの経験を活かすことができます。
*ただし、日本での研修医経験がかならずしもプラスになるとは限らないのでご了承ください。
まとめ
獣医師のキャリアとして、一次病院といわれる一般の動物病院だけでなく、大学病院での研修医もあることを知っていただければと思います。
大学病院の研修医はハードルが高そうなイメージや、忙しいイメージもあると思いますし、「自分にできるのだろうか」と思われている先生方や学生さんも多いのではないでしょうか。
多くの大学病院は「教育病院」という側面も持っていますので、怖がらず一歩を踏み出してみてください。
選択肢はいっぱいある方が、何か壁にぶつかった時、次のステップを考えた時などにいいので、ぜひこの記事がどこかで誰かの役に立てば幸いです。






