獣医師の職域2024.06.25
JRAで働く獣医師の仕事内容や平均年収は?
JRA (日本中央競馬会)とは、農林水産大臣の管轄のもとで競馬レースの開催や競馬場の管理・運営、競走馬の育成や、競馬学校での騎手・厩務員の養成などを行う団体です。JRAは世界でもトップレベルの馬券売り上げを誇り、一度のレースで動く賞金は数十億に及ぶことがあります。
そんなJRAに欠かせないのはもちろん競走馬ですが、競走馬の健康を支えているのは獣医師です。
この記事では、JRAで働く獣医師の仕事内容や平均年収について詳しくご紹介します。
JRAで働く獣医師の仕事内容
JRAで働く獣医師の仕事は大きく分けて臨床獣医職と研究職の二種類あります。
臨床獣医職では競走馬の病気・外傷を治療したり健康診断を行う診療業務や予防注射・入廐検疫を行う防疫業務などがあります。馬券売り上げが収益の大部分を占めるJRAにとって、馬の健康は何よりも大切です。そのため、JRAにとって獣医師の診療業務は最も重要な職務の一つと言えるでしょう。
研究職では、競走馬全般に関する調査・研究を幅広く行います。
土曜日・日曜日の競馬開催日には平常業務とは異なる組織の下、「開催業務」として出走馬の馬体検査や事故馬の救護・診療等を行います。
レース前や後には馬の尿を採取して違法薬物 (ドーピング)が検出されないか検査することも獣医師の重要な仕事です。JRAで働く獣医師は馬の健康管理とドーピングを防止してレースの公正性の確保することで競馬を支えています。
参考)JRAの獣医職とは
JRAで働く獣医師の平均年収
令和3年にJRAより発表された「日本中央競馬会(5010405002453)の役職員の報酬・給与等について」を参照すると、獣医師の平均年収は1,079万円 (内ボーナス324万円)です。
JRA職員全体の平均年収は908万 (内ボーナス273万円)であることを考慮すると、JRAで働く獣医師はJRA職員の中でも特に高い給料となっています。
国内の獣医師全体の平均年収は約450万円であるため、JRA獣医師の平均年収は獣医師の中でも最も高い水準です。
一方で、2024年のJRA獣医師の初任給は272,700円 (ボーナス2回)となっており、小動物獣医師の初任給と大差はないため、JRAは継続して勤務することで大きく昇給していくことが分かります。
JRAで働くためにはどうすればいいの?
JRAの選考は以下の流れで行われます。
①エントリーシート
②筆記試験 (一般常識)
③一次面接
④筆記試験 (専門・英語)
⑤最終面接
筆記試験には時事問題や世間一般的な知識が問われるため、獣医師免許を持つ方であれば特段苦労することはないと思います。
一方で面接や2回目の筆記試験では大学時代の専門分野や英語能力などがかなり厳しく問われる上に、採用人数は毎年5~7人程度と狭き門なので、最終的な合格難易度はかなり高いと言えます。
学生の頃からJRAで働くことを考えている方は馬術部に入ったり、研究室選びの際に馬の治療や研究を行う研究室を選ぶと良いでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
JRAはその職務の内容や平均年収の高さから、獣医師の仕事の中でも特に人気の職業です。一方で、採用人数の少なさや採用試験の難易度から非常に狭き門であると言われています。
JRAで働きたい獣医師として働きたい場合は、学生時代の頃から馬術部に入ったり、馬の繁殖を勉強するなどして、馬に対する知識やハンドリングスキルを身につけるようにしてください。