獣医師の資格2024.11.01
獣医師の海外留学について
日本で獣医師免許を取得した後、自身のスキルアップを目指して海外留学をする獣医師もいます。
この記事では、
・海外留学をする理由で多いもの
・留学を検討している獣医師に求められるもの
・海外の獣医師事情
などを紹介をします。
海外留学を検討中の方はぜひ参考にしてください。
主な留学先は欧米の大学
日本の獣医師免許は国内でしか有効でないため、海外の動物病院で働くことはできません。そのため、欧米の獣医学部がある大学に留学するのが一般的です。
留学の理由①:専門性を高めたい
ペットも高齢化が進み、飼い主から高度で専門的な治療が求められるようになってきています。こうしたニーズに答えるため、専門分野の教育システムが構築されている海外の大学で学びたいという獣医師が増えています。
ここで紹介したいのが、アメリカの獣医専門医という資格です。
米国獣医専門医について
米国獣医専門医は、ある専門分野において極めて高いレベルの知識と技術を持っていることを証明する資格です。資格を取るには、獣医学科を卒業した後にインターン(研修医)1年とレジデント(専科研修医)3年を修了し、専門医試験に合格しなければなりません。
獣医専門医は現地の学生でも人気が高く、インターンに合格するには高い学力が必要です。海外の獣医師が合格するには、学力に加え、高い語学力も求められます。
留学の理由②:海外で活躍するための評価が欲しい
国際的な獣医学教育の評価機関として、アメリカ獣医師会(AVMA)や欧州獣医学教育機関協会(EAEVE)があります。これらの評価機関の審査を受け認証を得ることは、大学のカリキュラムが国際的に高い水準にあること、学生が高いレベルの教育を受けてきたことの証明になります。
日本では、北海道大学、帯広畜産大学、山口大学、鹿児島大学の国立4校がEAEVE認証を取得しています。認証取得以降の卒業生は、イギリスにおいて獣医師資格認定試験を受験せずに獣医師免許を習得できます。
4校以外の卒業生でも、AVMAやEAEVE認証のある大学で学ぶことで国際的に認められているレベルの獣医学教育を受けていることの証明となり、海外で働く際に有利になるため、海外での就職も視野に入れ留学を目指す獣医師もいます。
留学検討中の獣医師に求められるもの
獣医師が留学を検討をするなら、周りに留学経験のある先輩がいる、卒業した大学に留学のツテがあると言った、情報収集ができる環境があるとよいでしょう。そういったツテがない場合でも、自ら勉強会や学会等に参加して、海外留学経験のある獣医師の方たちと人脈を作っていくといった行動力も必要です。また、海外で学ぶための語学力や学費、生活費の準備も必須です。
海外の獣医師事情
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、日本における獣医師の基本的な年収は685.7万円とされています。
海外は、日本よりも獣医師の社会的地位が高く、日本の年収の2〜3倍が期待できます。そのため、留学が終わった後も残って現地の獣医師免許を取得し、帰国せずにそのまま働くという選択をする獣医師もいます。
まとめ
・獣医師の留学先は、欧米の大学が一般的
・米国獣医専門医は4年間の勉強と難しい試験に合格することが必要で、高い知識と技術が国際的に証明される資格
・AVMA、EAEVEなど獣医学教育評価機関による審査に合格している教育機関は海外に多く、これらの大学で学ぶことで国際的な評価につながる
・留学を目指すなら、行動力や経済力、学力、語学力が必要
・海外の獣医師の年収は日本より高いところが多い
海外留学の経験があることは、その後の就職でも非常に貴重な人材となるでしょう。ぜひ諦めずに前向きに検討してみてください。