獣医師の資格2024.02.13

欧州獣医学教育機関協会 (EAEVE)とは

皆様は「欧州認定」や「EAEVE」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
欧州獣医学教育機関協会 (EAEVE)とは、ヨーロッパ内の獣医学教育の公的外部評価機関としての役割を担っており、現在は、ヨーロッパに限らず、世界中の獣医学教育機関の教育の質と水準を評価し、教育の質をさらに向上させる取り組みを進めています。
言い換えると、EAEVEから「欧州認定」を受けた大学は、世界的に通用する高いレベルの
獣医学教育を展開しているという証明となります。
日本国内には、全17の大学が獣医学教育を実施していますが、2023年12月現在に欧州認定を
取得している大学は北海道大学、帯広畜産大学、山口大学、鹿児島大学の4校のみとなっています。
これら4大学は、その他の獣医学系大学よりも体系的に優れた獣医学教育を提供していると言えるでしょう。

目次

  1. EAEVEから「欧州認定」を取得するメリット
  2. 「欧州認定」を受けた大学に行くべきか
  3. 今後、「欧州認定」を受ける日本の大学は増えていくのか
  4. まとめ

EAEVEから「欧州認定」を取得するメリット

「欧州認定」を取得するために多くの大学がカリキュラムの改善などを行い、教育の質を高めるために日々努力しています。
EAEVEから「欧州認定」を取得するメリットはたくさんありますが、大きなメリットとして
以下の2つが挙げられます。

①展開する教育が世界標準レベルに達している証明となる
→教育のレベルを数値化して比較することは困難ですが、「欧州認定」というのは
 教育水準の高さを示す一つの客観的な指標となります。
 アジアの獣医学を牽引するべき立場である日本が、「欧州認定」を取得するには
 大きな意味があります。

②学生が海外で獣医師として働く可能性が広がる
→イギリスで獣医師国家試験を受験せずに獣医師免許を取得できたり、 
 海外で獣医師としての就職先を探すときに出身大学が「欧州認定」を取得していれば
 有利に働く可能性がある。

「欧州認定」を受けた大学に行くべきか

獣医師を目指す学生様が気になる点としては、既に欧州認定を受けた大学にいくべきか
ということでしょう。
もちろん、学びたい大学や憧れている大学が既に決まっている場合はその大学を目指して
頑張ってください。
まだ受験したい大学が決まっておらず、漠然と獣医師になりたいと考えている方は
既に「欧州認定」を取得している北海道大学、帯広畜産大学、山口大学、鹿児島大学の4校の中から
選ぶことをオススメします。
一つのメリットとして、「欧州認定」を取得した大学を卒業した学生は、イギリスで獣医師国家試験を受験せずに獣医師免許を取得することができます。これは海外で働きたいと考える学生や獣医師にとって非常に大きなメリットです。
*卒業したタイミングで大学が「欧州認定」を取得している必要があり、過去の卒業生には適用されません。
「欧州認定」を取得している大学は、学生教育に力を入れている証明であり
6年を通して質の高い教育を受けることができるため、卒業時に獣医師としての高いスキルを持った状態で社会に出ることができます。
まだ受験したい大学が決まっていない学生様は「欧州認定」を取得した大学を
視野に入れるのも良いかもしれません。

今後、「欧州認定」を受ける日本の大学は増えていくのか

近い将来、北海道大学、帯広畜産大学、山口大学、鹿児島大学の4校以外にも
「欧州認定」を受ける日本の大学は増えていくと考えられます。
例えば、大阪公立大学や酪農学園大学はすでに「欧州認定」取得のために
カリキュラムの編纂や教育スタッフ数の拡充などに力を入れており、
10年以内には「欧州認定」を取得するのではないかと予想されます。
アジアの獣医学教育(ソウル大学、中国香港市立大学など)のレベルは近年、ヨーロッパを参考にして改善されており、日本もこの流れに乗って獣医学教育の水準を高めていくことが求められます。

まとめ

EAEVEから「欧州認定」を取得した大学は高い水準の獣医学教育を展開しており、
国際的に通用するスキルを持った獣医師の養成が可能です。
是非 EAEVEの「欧州認定」を大学選びの参考にしてみてください。

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