獣医師の資格2024.01.31

獣医師の専門医取得について

医療ドラマや病院でよく耳にする「専門医」という言葉。
実は獣医師にも専門医制度があるのをご存知でしょうか?
日本国内で専門医を目指す獣医師の数は非常に多いですが、
最近では、より難易度の高いアメリカやヨーロッパでの専門医取得を目指す
獣医師の数が徐々に増えています。
今回は獣医師の専門医取得について詳しく解説します。

目次

  1. そもそも「専門医」とは
  2. 獣医師が日本で専門医を取得するための方法
  3. 獣医師が海外で専門医を取得するための方法
  4. 獣医師が専門医を取得するメリット・デメリット
  5. まとめ

そもそも「専門医」とは

一般社団法人日本専門医機構によると、「専門医とは内科や外科、小児科、産婦人科など
よく知られた診療科において標準的で適切な診断・治療を提供できる医師のこと」と
表現されています。ここでの「標準的」という単語は、50%程度の治療効果を指しているのではなく、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の診断・治療という意味です。
獣医師においても同様の意味の単語として使われており、各科でより適切な診断・治療を行える獣医師が専門医として認定されます。

獣医師が日本で専門医を取得するための方法

獣医師が日本で専門医を取得するための方法はいくつかありますが、
一般的な方法は認定研修施設で規定された年数の診療に携わり、
認定団体が主催する試験に合格することです。
そのほかにも、セミナー・学会発表、論⽂掲載などでポイントを貯めて、
認定試験の受験資格を得たり、指定の講習を受けることでも認定医の資格を
得ることができます。

取得難易度は専門医の方が認定医よりも高く、4〜5年に1回試験を受けて合格しなければ
資格を更新できないため、常に知識をアップデートする必要があります。

獣医師が海外で専門医を取得するための方法

最近は海外 (特にアメリカ)で専門医取得を目指す獣医師の数が増えています。
海外で専門医を取得する難易度は非常に高く、言語の壁を乗り越える必要もあります。

例えば、アメリカで専門医を取得するためには、日本の獣医大学を卒業後、アメリカで
インターン (研修医)1年、レジデント (専科研修医) 3年の専門トレーニングを修了し、
超難関の専門医試験に合格する必要があります。

この時点でも難易度が極めて高いことがお分かりになると思いますが、
さらに難しいのが人脈作りです。
日本の獣医師がアメリカでインターンとして受け入れてもらうためには海外の学会やセミナーにコツコツと参加して、自分の名前を覚えてもらう必要があります。
そして、獣医師と研修先の病院を繋ぐマッチングサイトに登録し、無事マッチングしてやっとスタートラインに立つことができます。

獣医師が専門医を取得するメリット・デメリット

獣医師が専門医を取得するメリットは主に以下の4つがあります。

①専門医を取得する過程で最新の知識、技術が身につくため
 獣医師としてレベルアップできる

②専門医というわかりやすい肩書きがあれば、社会的地位や
 飼い主様からの信頼を得やすい

③転職時や待遇面において非常に有利になる

④海外で働く可能性が拡がる

一方で専門医取得にもいくつかのデメリットがあります。

①特に海外で専門医を取得するためには多額の費用がかかる

②一度取って終わりではなく、数年に1回は試験を受けて更新する必要がある

まとめ

日本においても専門医の資格を持つ獣医師の数は増加傾向であり、
皆様の通っている動物病院に専門医の方がいらっしゃるかもしれません。
専門医はより高い水準の治療を行うことができるという証明でもあるため、
セカンドオピニオンの際の病院選びなどにぜひ確認してみてください。

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