獣医師の働き方2023.08.01

獣医師のセカンドキャリア

 現在の職場に何ら不満がなくても将来の不安を感じることはないでしょうか?定年後のことや同僚のキャリアアップ転職、家庭事情などがきっかけになるかもしれません。今回はいったん築いたキャリアをリタイアした後に、セカンドキャリアをどのように築いていくかについてお話しします。

目次

  1. セカンドキャリアとは
  2. セカンドキャリアを考える時期
  3. セカンドキャリアの選択肢
  4. 準備はいつから始める方が良いのか
  5. まとめ

セカンドキャリアとは

セカンドライフという言葉は「第二の人生」ともいわれ、耳にされたことがあると思います。定年後の新しい暮らし、子育てが一段落した後の人生などといったイメージでしょうか?
セカンドキャリアもそれに近く、「第二の人生における職業」という意味で用いられます。第二の人生といっても中高年から始めるというわけではありませんし、前職と同じ業種ばかりではなく全く違った職種を選択する場合もあるでしょう。

いずれにしても人生の大きな転換点であることには変わりなく、獣医師の場合はどのような選択肢があるのかを見ていきます。

セカンドキャリアを考える時期

現在の職業に大きな不満がなく、将来にわたってのキャリア形成のステップがはっきりしている場合は、セカンドキャリアに位置するものは目標とする次のステージになります。その場合は、現在の職業は自分の目的に向けてのファーストステップになり、現職場は通過点というとらえ方をすると思います。
自分の将来が何らかの理由で不安、ほかに興味がわいてきた、職場内での人間関係、定年などの個人的な理由や、結婚、子育て、親族の介護などの問題といった自分を取り巻く環境の変化が起きた時もセカンドキャリアを考える時期にあたるでしょう。

・スキルアップのタイミング
・何らかの不満
・現職よりも魅力的なキャリアアが見つかった
・定年などの年齢上のリタイア
・家庭環境の変化

以上の理由がセカンドキャリアを意識する時期としては多いのではないでしょうか?

セカンドキャリアの選択肢

獣医師のセカンドキャリアの選択肢としてどのようなものがあるかを見ていきましょう。

①企業への転職

獣医師としてペットに関連する企業に転職することを考える場合も多いでしょう。動物病院勤務から製薬会社、畜産関係の会社、動物薬やペットフード産業、専門学校などが代表的です。転職サイトなどに登録しておくと求人企業を紹介していただける可能性が高くなります。しかし、外資系企業の場合は英語力など獣医師のキャリア+αが要求されることもありますので、獣医師の技術や知識だけでは不十分なケースもあります。

②別の動物病院へ再就職

セカンドキャリアとして専門性の高い動物病院への転職や、都会から地方の動物病院への再就職という場合もあります。反対に地方から都会への転職も可能でしょう。都会と地方の動物病院について単純に甲乙をつけがたいですが、自分が希望するライフスタイルがかなう働き方を見つけることも大切です。

③フリーランス

フリーランス獣医師として働くことも可能でしょう。しかし、簡単にフリーランス契約が結べる動物病院が見つからないかもしれません。自分自身のキャリアや可能なこと、契約先の動物病院に対するメリットなどを説明できるツールや営業力も必要になります。万が一、医療事故が起きてしまった場合にどのように対処するのかなども考え、専門家が作成した契約書の準備も必要です。フリーランス獣医師は個人事業主ですので、経営者としての知識や素質も必要になります。

④開業

勤務獣医師から開業医を目指すというセカンドキャリア形成は多いのではないでしょうか?この場合は、十分に計画を立て、資金調達や開業場所の選定を行いましょう。ペットの飼育頭数は減少傾向ですし、地域によっては動物病院が飽和状態になってきています。開業を最終目標に持つ獣医師は以前と同様に多いと思いますが、条件は徐々に厳しくなってきています。慎重な判断が必要でしょう。

⑤異業種への転職

獣医師の資格を保有しながら、ほかの業種でセカンドキャリアを形成するケースもあります。
例えば、行政書士や司法書士、キャリアカウンセラーへの転身を果たされた方がいらっしゃいます。動物病院ならではの手続きやトラブルの中には、動物病院での勤務経験がないと分かりにくいこともあります。獣医師免許とその他仕業の資格を所得し、動物が関連する手続きなどを一手に引き受けることができます。
ほかには動物病院専門の経営コンサルタント、保険診療の審査業務などに携わる獣医師もいらっしゃいます。
かつては獣医師免許を取得したら医療にかかわると考えることが多かったのですが、視野を広げることでペットや動物病院、獣医師、愛玩動物看護師などがかかわる全てのことにつながる業務に関わっていくことが可能でしょう。

準備はいつから始める方が良いのか

セカンドキャリアの準備はいつからセカンドキャリアに移行するかによって異なるでしょう。どの方向へ進むかによつて異なりますが、準備は可能性が起きてきた段階で早めに始めるべきです

例えば企業へ転職しようと考える場合は、できるだけ40代のうちに転職した方が良いでしょう。50代になると本人のやる気があっても、転職先でのキャリア形成などを希望するポジションに着くことができなかったり、給与の大幅減少で生活が立ち行かなくなる可能性があります。

開業する場合は必要資金の半分は自己資金で賄うのが一般的ですし、転職する場合も生活資金は約1年分近くある方が余裕を持つことができます。セカンドキャリアを考えるうえで貯蓄がどれくらいあるかは重要です。

まとめ

今回はセカンドキャリアについてお話ししました。どの進路に進むにして必要なのは十分な準備でしょう。どのような仕事をしていきたいのか、ワークライフバランスではどちらを重視したいのかなど、様々な方面で検討して決めていきましょう。将来のライフプランが決まっていないが漠然とした不安を抱えるという方は、専門家に相談してみましょう。

記事一覧へ戻る