獣医師の働き方2025.02.05
獣医師の就活は5年生夏頃のスタートが一般的。進路先ごとに就活の流れを説明
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獣医学部高学年になると、外科や内科などの臨床系教科の授業や実習が始まります。段々と自分が興味のある分野がわかり、就職先についても考え始める頃でしょう。この記事では獣医師の就活について、
●小動物・産業動物などの臨床
●公務員
●製薬会社などの企業
の3つの進路に分け、開始時期や流れを解説します。就活でチェックしておきたいポイントなども紹介するので、これから就活に臨む獣医学生の皆さんは参考にしてみてください。
小動物・産業動物などの臨床
近年も新卒獣医師の約45%が小動物診療に進んでおり、小動物獣医師の人気は相変わらず高いです。一方、産業動物診療に進む獣医師は、約10%程度です。
仕事内容
動物病院やNOSAIに就職し、小動物や産業動物の診察を行います。牛、豚、鶏などの獣医師は、ほとんどが往診スタイルです。
就活開始時期:5年生夏頃〜
5年生の夏頃から就職活動を始め、6年生の4、5月には動物病院から内定をもらっている学生も出てきます。
就活の流れ
●動物病院のホームページや大学に届く求人票で、動物病院の診療方針や、得意分野、勤務条件、給与などの待遇が自分に合っているところを探す。
●動物病院に電話やメールで連絡を取り、できれば数日間診察を見学する。
●就職希望の旨を伝え、動物病院から採用の可否の連絡を待つ。
見学中にチェックしておきたいポイント
最初に就職する動物病院の診察スタイルは、その後の自分が提供する獣医療に大きな影響を及ぼします。特に、院長の考え方や相性は重要なので、妥協しないで選びましょう。また、1年目の獣医師の教育・指導体制については必ず確認しておきましょう。
公務員
次に、公務員の獣医師の就活について解説します。
仕事内容
公務員の獣医師は、国家公務員と地方公務員に分かれています。人や動物の健康を守るための法律を作ったり、法律に基づいた検査を行います。
国家公務員
農林水産省や厚生労働省が管轄する動物検疫所、動物医薬品検査所など国の組織に勤務
地方公務員
都道府県や市町村の役所や保健所、衛生研究所、動物愛護センター、家畜保健衛生所などに勤務
就活開始時期:公務員試験に合わせて勉強を始める
公務員の獣医師は、国家試験の他に公務員試験に合格することが必要です。公務員試験は6年生の春に実施されることが多いので、早ければ5年生のうちから試験対策を始めます。
試験内容は、一般教養試験、専門試験、面接などで、各自治体によって異なります。国家公務員では、グループ討論でコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を見る試験もあります。
概ね7月頃には合格発表が行われます。
インターンシップや見学に参加しよう
国や自治体が主催する獣医学生対象のインターンシップには積極的に参加しましょう。長期休みを利用して実施されていますが、短期の見学や職場見学は随時募集しているところもあるので、各省庁や自治体のホームページから確認しましょう。
これらの実習への参加と合否は関係ありませんが、仕事内容を知るためには参加しておくのが良いでしょう。
製薬会社などの企業
最後に、製薬会社、食品メーカーなど企業で働く獣医師の就活について解説します。
仕事内容
薬理学や病理学、毒性などの知識を活かし、製薬会社、ワクチン会社、飼料メーカー、ペットフードなどのペット用品メーカーなどの企業に就職します。
仕事内容には以下のようなものがあります。
●動物用医薬品やワクチンなどの開発・研究
●安全性や有効性の試験
●実験に供する動物の管理
●食品の品質・衛生管理
●ペット用品の開発
就活開始時期:企業説明会に合わせ5年生から
5年生のうちから企業の説明会やインターンシップに参加している学生が多いです。6年生の春になると、企業のエントリーが始まり、適正試験やグループディスカッションなどいくつかの選考を受け、夏頃内定が出ます。
まとめ
この記事では、動物病院などの臨床、公務員、企業の3つの進路に分けて、就活の開始時期や就活の流れを説明しました。
どの就職先でも、5年生のうちから就活をスタートしている学生が多いです。動物病院は、随時獣医師を募集しているところも多いですが、公務員や企業は試験日やエントリーの日を逃してしまうと就職できなくなります。早いうちから情報収集を始めましょう。