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EAEVE認証校卒業者のイギリス獣医師免許登録、2029年に自動登録が終了へ

みなさんは、「EAEVE」という言葉を聞いたことがありますか。
これは、欧州獣医学教育機関協会(European Association of Establishments for Veterinary Education)というもので、国際的な獣医学教育認証機関の一つです。
このEAEVEの審査をうけ、承認された大学は世界水準の獣医教育が可能であると認められます。要は、日本にいながら欧州基準の教育プログラムを開発および実施している大学となります。
日本でも、
- 北海道大学
- 帯広畜産大学
- 山口大学
- 鹿児島大学
- 酪農大学
この5校が現在(2026年4月)EAEVEの認証を受けています。
では、EAEVE認証校の卒業生とイギリス獣医師免許がどのように関係しているのでしょうか。
EAEVEとイギリスの獣医師免許制度の関係
イギリスの獣医師免許を管轄する機関「RCVS」とは
まず、イギリスで獣医師になるには、「RCVS(英国王立獣医師会)」の認定を受けた大学を卒業し、RCVSの認定をうけることができれば獣医師として働くことが可能です。
イギリスには、日本の獣医師国家資格試験のようなテストがない代わりに、このような仕組みになっています。
もし日本の獣医師がイギリスで獣医師として働きたい場合も同様で、RCVSの認定を受ける必要があり、獣医師資格認定試験を受験し合格する必要があります。
「認定を受ける」ということはとてもハードルが高いです。
英語という言語の壁だけでなく、認定されるためのプロセスを満たさなければなりませんので、簡単に取得できるものではありません。
EAEVE認証校卒業生がRCVSに登録できる現在の制度
2019年より、EAEVEが認定した大学を卒業した学生は自動的にRCVSに認定されます。
そのため、もし日本においてもEAEVE認証校を卒業していれば、上記で述べたような煩雑で大変なプロセスを踏まずとも、RCVSの認定を受け獣医師として働くことが可能となります。
要は、獣医師資格認定試験を免除されます。
もちろん、一定の英語能力は要求されますが、試験の免除はとても大きなメリットです。
ただし、あくまでイギリスのみで認められているものですので、アメリカやオーストラリアなどでは別の制度であることを覚えていただければと思います。
2024年1月、RCVSが2029年終了を正式決定
2024年1月にRCVSは、様々な状況を鑑み、2029年をもって自動登録を見直すことを決定しました。
そもそもこの自動登録は、
- イギリスのEU離脱に伴って設けられた政策
- 教育の認定基準とEAEVEの教育基準の間の差異への懸念
などの理由により、このような動きとなりました。
2029年以降と日本の獣医師への影響
ほとんどの獣医師には大きな影響はないとおもいますが、海外を目指す獣医学生や、獣医師を志す学生たちには大きなインパクトをあたえるのではないでしょうか。
2029年以降についてですが、EAEVE取得のメリットが果たしてあるのか、という点が大きな焦点になってくるかと思います。
EAEVE認証大学を卒業したとしても、RCVSが認められない場合が浮上してきました。
これにより、大きなメリットであった「認定資格試験の免除」ができない可能性があることから、海外志向の学生たちの進路に大きく関与してくるのではないかと考えられます。
まとめ
EAEVE認証校卒業のメリットが今後どうなるのかわからないですが、EAEVE認証をうけるには様々なレギュレーションやカリキュラムの見直しなどが大学には求められます。
EAEVE認証を受けるためには、「質の高い教育」が必要なのです。
メリットやデメリットに関わらず、そのような環境で勉強するということはかならずプラスの経験になります。
ですので、そのような環境での学びをぜひ次のステップに活かしてください。
また、EAEVEとRCVSの関係についても変わって来る可能性があるため、今後も最新の情報を見逃さないようにチェックしておきましょう。
何かこの記事が皆様のお役に立てば幸いです。
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