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獣医師の大学院進学|体験談からわかるメリット・デメリット

獣医師になるために6年の時間を費やし、そのうえでさらに「大学院」へ進もうと決意するのはなかなか難しいことかもしれません。
しかし、大学院が獣医師としてのキャリアを広げる可能性は十分にあります。
筆者の体験談を参考に深堀していきましょう!
獣医師が大学院に進学するメリット・デメリット
実際に大学院に進学するメリットやデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
筆者の体験をベースに考えていきましょう。
得られる専門性とキャリアの幅
まず大学院は専門を追及する場所ですので、自分の知識や興味のある分野を極めるわけですから、とても有意義な時間を過ごせると思います。
また、大学院では、研究への取り組み方や実験計画の立て方、そして実際研究を行うことで通常の学校の授業では教わらない手技、論文の書き方や読み方など、知識だけではなく新たな自分の武器となるものを得られるメリットがあります。
筆者の場合、当時「論文を読む」ということが正直どういうことかよくわかっておらず、どうしたらいいかわかりませんでした。
しかし、大学院時代に実験や論文を書くにあたって(論文の書き方ももちろんしりませんでした…)、少しずつ慣れ親しんで、今では自分の知識のアップデートに論文をうまく使えるようになりました。
さらに、大学院を修了し、PhD(博士号)を取得することでキャリアが広がることは大きなメリットです。
特に「アカデミア」と言われるいわゆる「大学の先生」はPhDがないとなることができません(日本の大学の場合)。
そのため、大学教員や研究所などの選択肢も自動的に加わるわけです。
実際、筆者はPhD取得後思いがけず「大学教員」をすることになりました。
これはPhDがあったからこそなれたことです。
もちろん、一度たりとも大学教員になることは考えたことはなかったですが、いい経験ができたのと、意外と「教育」というものは楽しいのだな、と新たな視点が広がり、自分の可能性を感じることができました。
なので、誰もが必要なものではないですが、あることで世界が広がる、という大きなメリットを感じます。
見落とされがちなデメリット
デメリットとしては、経済的な部分と時間です。
もちろん学費がかかってきますし、大学院に行くとなると最低でも3〜4年かかることになります。
すでに6年間という通常よりも長い期間かけて獣医師になっているので、社会にでるのが遅くなる、という不安もとてもわかります。
筆者は、経済的な部分と、獣医師としての技術的な部分が不安だったため、「社会人大学院生」という道を選びました。
要は、働きながら大学院に通う、というやり方です。
筆者の場合大きなデメリットは「時間」でした。
お恥ずかしいことに大学院修了までに6年間かかっております。
これは先に述べたように、
- 働きながらの社会人大学院生だったこと
- 大学が違う県にあったこと(1年に数回のみしかいけなかったこと)
これらの理由からうまく実験ができず、このように通常よりも時間がかかってしまいました。
「社会人大学院」という選択、働きながら通うリアル
働きながら大学院生になる、という方法があります。
「社会人大学院生」という選択肢を選んだ筆者の経験を共有します。
どのように大学院を修了したか
筆者は上記でも書いたように、やや特殊な環境でした。
大学がそもそも働いて住んでいる県と同じところになかったので、1年に数回ほどしか通うことができませんでした。
今考えても私の担当教員にとって、私が初めてのこのような環境から通う大学院生でしたので、よく入学許可をしてくれたな、と感謝しております。
しかし、やはり物理的な距離は大きく、実験がまったくできず、大学院生としての活動も一切できませんでした。
そのため、お恥ずかしいですが最初の数年はまったく何もしていなかったというのが正しいです。
やはりそんな状態での大学院修了は難しく、4年生の終わりに一度「単位取得退学」という形をとり、大学院を一度辞めて、その間に実験と論文を終了させて、準備が整った時点で再度入学して半期で修了する、というやり方をとりました。
これはあくまで筆者のやり方であり、進学する大学のポリシーにもよると思いますので必ず確認されることをおすすめします。
直面した壁や難しかったこと
あくまで筆者の場合ですが、なかなか進まない大学院生活にイライラすることもありましたが、「研究テーマ」を何にするか決めるのが大変だったかなと今は感じています。
もちろん明確なテーマを持って入学される方がほとんどだと思いますが、筆者の場合はお恥ずかしいですが、麻酔に関係したものをやりたい、というぼんやりとしたものしか持っていなかったのと、やりたいなと感じていたことが、いざ実験を考えるとなると制限が多かったので、当初の予定とは全く違うテーマとなりました。
もちろん今は色んな経験ができたので感謝しています。
大学院修了後に開ける獣医師のキャリア
筆者が大学院をこころざしたのは恩師からの言葉でした。
学生のころより、海外で働きたい、と夢見ていた筆者に恩師が
「海外では博士号(PhD)を持ってはじめて対等に扱ってくれる。海外に行きたいのなら博士号をとりなさい。」
とアドバイスをくださり、大学院進学を決意しました。
そのおかげで予想外でしたが、大学教員という経験を体験もできましたし、海外でもPhDを持ってることで一目置かれる経験をしました。
筆者のように大学教員というキャリアを築くこともできますし、研究の道にすすんだり、院長先生が患者さんへの一つのアピールとして取得していたり…。
なくてもいいものですが、困った時に世界やキャリアを広げてくれて、助けてくれるのではないでしょうか。
大学院進学で後悔しないための判断基準
大学院は簡単な道のりではありません。
そのため決断するには勇気がいると思います。
ここでは後悔しないための判断基準を簡単ではありますが深堀していきましょう。
進学前に確認しておきたいこと
担当教員はとても大切です。
- 最後まで面倒をみてくれるのか
- 話し合いをしてくれ自分の意見などを聞いてくれるのか
など物理的な部分だけではなく、全体的にサポートしてくれるのかを、しっかり確認されることをおすすめします。
ただ間違ってはいけないのが、大学院生は一人前の社会人でありしっかり意志を持った大人であるということです。
なんでも担当教員に頼ろう、手とり足とり教えてくれるだろう、という考えは捨てるべきです。
自分の意志で来なくてもいい大学院に来ているわけですから、サポートの意味を間違えてはいけないと思います。
迷ったときに相談するべき相手
これは上記にもかぶってきますが、まずはもちろん自分の担当教員です。
しかし、場合によってはなかなかいい関係を築けないケースもあるかと思います。
ですので、担当教員以外のゼミの先生が必ずいらっしゃると思うので、「逃げ道」を作っておくことも必要かなと思います。
例えば准教授などです。
もしいないようであれば、他の科やゼミの教員でもいいと思います。
何度もいいますが、人間関係は大学院でも大切になりますので、自分の心を優先させること、守ることも大切だということを忘れてはいけません。
まとめ
筆者はいわゆる「社会人大学生」と言って、働きながら大学院に通う大学院生でした。
大学院時代の恩師はよく大学院のことを「足裏の米粒」と表現していました。
別に持っていたからと言ってなにか役にたつことはないけれど、とらないと気持ち悪い、このようなものがPhDです。
大学院に進まなくても獣医師として活躍できますし、海外でも道は開けます。
しかし、大学院に進んだことでキャリアが広がる可能性は十分にあります。
そしてそれは肩書として自分の名前を輝かせることもできるので、何か興味のあること、追求したいものがある獣医師のみなさんは、ぜひ一つの選択肢として考えてみてもいいのではないでしょうか。
この記事が大学院進学で悩んでいる方に届くことを願っております。













