獣医師の転職2022.10.05

転職と年齢

インターネットで検索すると転職に関する記事や広告がたくさん見つかります。中にはハイクラス転職などのネーミングで、転職すると今よりも好待遇の会社に行けると考えてしまうこともあります。一方で転職したら減収したという話もあります。実際どうなのでしょうか?

転職を成功させるために注意すること

転職はチャンスでもあり、リスクでもあります。どうせ転職するならば、自分の理想に限りなく近いか、それ以上の条件でありたいものです。しかし残念ながら、理想とかけ離れた転職になってしまい、元の職場の方がよかったと言う結果になってしまうこともあります。どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。
・年齢 ・時期 ・求められるスキル ・年収
以上の内容にフォーカスしてお話しします。

目次

  1. 転職のチャンス
  2. 転職希望者主導の転職
  3. 転職後の年収格差
  4. まとめ

転職のチャンス

「転職のチャンス」と言っても年齢、時期、タイミングなどがあります。いつでも転職ができると思っていると当てが外れます。

 1)年齢

世間一般的には「3年目が転職のタイミング」「30歳までには」など言います。正直なところ必要以上に気にすることはないですが、年齢は意識した方が賢明です。
獣医師の場合、転職の方向はおおよそ3種類に分類できます。①動物病院、②企業、③別業種に分類して転職年齢を考えてみましょう。
おそらく①動物病院の場合は40歳を超えての転職も可能な場合が多いでしょう。しかし②企業や③別業種の場合は40歳を超えてしまうと実力や知識の有無に関係なく転職が厳しくなるのではないでしょうか。職種や職場が変わればあくまでも新人です。仕事内容によっては一から学び直しと言うケースも珍しくありません。

転職でなくても役職定年という制度もあり、役職定年後はメインの仕事ではなくサポートの仕事に移動になったり、年収が50~75%ダウンしてしまう現実があります。
長く仕事をしてきたという経験があれば、必ず前職よりも高い給料がもらえるということはありません。実力や経験が伴っていればおそらく30歳代であれば昇給が望めるかもしれません。しかし、それ以降の40歳代、50歳代と年齢が上がるにつれ転職できたとしても希望通りの条件でということは難しくなっていくと考えた方が良いでしょう。

 2)時期

一般的に動物病院からの求人が増えるのは8月ごろと1月ごろが多いでしょう。8月の求人は来年4月からの戦力確保のためという理由が多く、1月の求人は急な退職による欠員募集がメインになるのではないでしょうか。
4月から動物病院の繁忙期が始まりますので、その時期に照準を合わせて募集を開始することが多いでしょう。即戦力になりうる人材が欲しい場合と、新卒の獣医師を教育しながら育てていきたい場合と2つのパターンに分かれると思います。転職の場合はほかに所属していることがほとんどですので、引継ぎに必要な期間なども考慮して転職時期を見計らう必要があるでしょう。

転職希望者主導の転職

転職者が陥りがちな勘違いは、自分の経験に対する過剰な期待かもしれません
現在の年収や立場、決定権などはあくまでも自分が現在所属している職場での話にすぎません。その条件のまま、もしくはそれ以上の条件で転職するためには、客観的な根拠や数値を示す必要があるでしょう。
また、求人を行っている会社がどのような年齢層でどのような目的のために採用しようとしているのかを知らなければ、不採用になる確率は高くなります。例えば、整形外科分野の強化を考えているのに、内科が得意で手術の症例件数が少ない人材や、手術は行うが軟部外科が得意で整形外科の実施件数が少ない人材であれば、能力や知識、経験があったとしてもミスマッチ人材です。転職希望者も求人している会社がどのような人材を希望しているのかを前もってよく知る必要があります。

年齢面で考えるべきことは、登り坂の年齢であるかどうかということです。転職者を探している会社は様々な目標を到達するために必要な人材を探します。新しいアイディア、統率力、まとめ役、社内にいる人材では不足する能力や知識を持つ人などの求人目的をもって適する人材を探しているはずですし、それにふさわしい年齢層の人を探します。残念ながらまだ働けるとしても、定年が近づく年齢の方を採用する企業は少ないといえるでしょう。思い描いた転職を希望するのであれば、30歳後半から40歳前半までには行動した方が良いでしょう。

転職後の年収格差

長く勤務している獣医師や院長を務めている獣医師の場合、一般的なサラリーマンの平均年収を超えていることが多いでしょう。希望としては現在の年収を維持できる状態、または少しでも上回ることを望むと思います。残念ながら年齢が定年に近づくにつれ、転職後の年収は大幅減になってしまいます。一般的に50代で転職した人の40%の人が減収になっています。
転職後に減収しないために必要なことは何でしょうか?

・自分のキャリアを見直し、自分ができることを整理整頓する
・自分自身の市場価値を冷静に分析する
・自分のキャリアにマッチした求人に応募する

以上のことが大切になります。
転職を意識し始めたなら、減収した場合に備えてある程度の貯蓄が必要になります。減収した場合、注意しなければならないのは税金です。住民税は前年度の所得で計算されますので、前年度の所得が多く、今年度の所得が低い場合は負担が大きくなります。転職は数年前から準備し、生活の規模をよく考え貯蓄していきましょう。

まとめ

今回は、転職と年齢の関係についてお話ししました。現代の社会人にとって転職はさほど珍しいものではなくなりました。どうせ転職するのであれば、有利な条件の転職でありたいです。思い付きの転職では理想とかけ離れた条件を提示されてしまうかもしれません。自分の能力を客観的に見つめ、転職希望先がどのような人材を求め、必要としているのかを前もって知るようにしましょう。職務経歴書も丁寧に記し準備してください。

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