獣医師の転職2024.10.11

公務員獣医師への転職を考える方へ。向いている人の特徴や転職活動のアドバイス

「動物病院が忙しすぎてプライベートがない」「動物はかわいいが、飼い主さんの対応に疲れてしまった」「職場内の狭い人間関係が大変だ」。憧れていた獣医師として働き始めたものの、このような悩みで転職を考える獣医師はとても多いです。

この記事では、公務員獣医師として8年間勤務経験がある筆者が、公務員が向いている人の特徴を紹介し、転職検討中の方の背中を押せるようなアドバイスを提供します。ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 臨床経験のある公務員獣医師は割と多い
  2. 公務員獣医師が向いている人の特徴
  3. 代替職員としてしばらく働いてみるのもあり
  4. まとめ

臨床経験のある公務員獣医師は割と多い

実際、動物病院の勤務医などから公務員に転職してくる方は多いです。筆者が公務員獣医師の頃、獣医師20人程度の職場でも4、5人は小動物臨床を経験した方がおり、特に珍しいケースではありません。そのため「転職したらどう思われるか」などと心配しなくても大丈夫です。

臨床経験者ならではの強みもある

動物病院での診療の経験や飼い主とのコミュニケーションで培ったスキルは、公務員獣医師に転職してからも大いに活用できます。例えば、病気の家畜のデータをもらったとき、血液検査の結果や使った薬から家畜の状態を推察できるのは臨床経験のある獣医師ならではの強みです。

また、公務員獣医師は、地域住民や農家の方からクレームを言われたり、トラブルの対応が必要なこともあります。臨床経験のある方は、様々な飼い主と接して場数を踏んでいるため、こうした時の対応力や適応力に長けています。

公務員獣医師が向いている人の特徴

仕事内容や福利厚生の面から、公務員獣医師に向いている人の特徴を紹介します。

屋外に出たい、体を動かしたい人

職場と時期にもよりますが、公務員獣医師は農家を巡回したり、飲食店の立ち入りに出かけたりと、週の大半は事務所の外に出ています。また、採血や解剖など、体を動かすことも多いです。時には、出先での作業時間よりも公用車での移動時間の方が長いということもありますが、外に出るのはいい気分転換になります。室内に閉じこもっているよりも屋外で体を動かしたい人には公務員獣医師はおすすめです。

1つのことを突き詰めたい研究者気質な人

公務員獣医師の中には試験場や衛生研究所で研究職につく人もいます。人や動物と接するよりも自分の興味を持った分野を1人でとことん追求したいというタイプの方にも向いています。

ライフワークバランス重視の人

公務員の仕事は基本的に週休2日で、年次休暇や夏季休暇もあり、休みが取りやすいです。仕事の後に習い事を入れたり、友達と会ったりといった予定を入れやすいのも公務員ならではです。

妊娠、出産や子育てとの両立を考えている人

筆者も、家畜保健衛生所に勤めていた8年間に2回産休育休を取りました。つわりで満員電車に乗れなかった時期は出勤時間をずらし、子供が小さいうちは短時間勤務の制度を利用して仕事をしていました。産休育休中も、いずれ戻れる席があるというのは社会との繋がりを保つという意味でとても安心できました。

代替職員としてしばらく働いてみるのもあり

現在、仕事をしていない獣医師が公務員への転職を考えているなら、産休、育休などの代替職員を募集している自治体でしばらく働いてみるのも1つの方法です。契約期間を終えた後に公務員試験を受験し、正規職員として採用される例も多いです。

代替職員については情報が少なく、空きが出るとすぐに決まってしまうので、自治体のホームページを確認したり、公務員に知り合いがいれば募集がないか聞いてみてください。

まとめ

小動物臨床から公務員獣医師への転職を検討している獣医師の方に、向いている方の特徴や体験談を元にした働き方のアドバイスを紹介しました。

  • 臨床経験のある公務員獣医師は結構多いので、気後れする必要はない
  • 外に出て体を動したい人、研究が好きな人、ライフワークバランスを重視する人、子育てとの両立を検討したい人には公務員獣医師が向いている
  • 産休育休などの代替職員から正規職員に採用される人も多い

公務員は臨床を知っているからこその強みも生かせる職場なので、転職するかどうか悩んでいる方は前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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