動物病院と統計2024.04.30

青森県の統計と動物病院

青森県は本州最北端に位置し、冷涼型の気候で短い夏と長い冬が特徴です。世界遺産の白神山地や十和田湖をはじめ、豊かな自然に恵まれています。県の全体の約66%が森林で、八甲田連峰や奥入瀬渓流など水と緑に囲まれた自然あふれる環境に恵まれています。農林水産業が盛んな県ですが、風力発電や原子力発電所なども多数あります。本州最北端の青森県の動物病院、獣医師数と青森県の統計について紹介したいと思います。

目次

  1. 青森県の統計データ(2023年10月)
  2. 青森県の特徴
  3. 動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)
  4. 北里大学獣医学部付属動物病院
  5. まとめ

青森県の統計データ(2023年10月)

①人口、面積

人口:1,184,531人(31位 日本の総人口の約0.98%、人口密度:122.81人/km2)
1位 青森市 275,340人(人口密度:333.6人/km2)
2位 八戸市 223,529人(人口密度:731.2人/km2)
3位 弘前市 168,564人(人口密度:317.4人/km2) 

面積:9,645.10km2(8位)
1位 むつ市 864.20km2
2位 青森市 824.61km2
3位 十和田市 725.65km2
             

②人口増減

1.人口推移
青森県の人口は2023年10月時点で122万5,497人となり、2020年比で12,487人の減少となりました。青森県の人口は1983年の1,529,269人をピークに、緩やかな減少が続いています。国立社会保障・人口問題研究所によると2040年には人口が2023年比25.3%減の91万4,275人、2050年には38.4%減の75万4,751人になると予測されています。

2.高齢化率と出生率
1)高齢化率
国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2020年時点の青森県の高齢化率は33.7%で、高齢者65歳以上)人口は約41万人となっています。2040年には高齢化率が43.9%で約40万人、2050年には48.4%で約36万人になる見込みです。青森県でも高齢化は進んでいますが、高齢化の進むスピードは他府県と比較すると比較的急と言えるでしょう。

2)出生率
2023年度の厚生労働省の発表によると、青森県の出生数は6,002人で、前年より約346人減少しました。全国の出生数合計は72.6万人で、前年度比5.7%ダウンしました。2023年の出生率は1.24で、前年の1.31より0.07ポイント減となっています。全国平均は1.26ですので、0.02ポイント下回っています。青森県の出生数は年々減少していますが、若者の県外への転出が多いことも理由にあげられ、転出の歯止めの対策や子育て・共働きをしやすい環境の整備も課題となります。

青森県の特徴

①地理的・産業的特徴

青森県は東北地方及び本州の最北端に位置し、東は太平洋、西は日本海、北は津軽海峡に面しています。青森県は自然が豊かで、世界遺産白神山地、十和田湖、八甲田山などが有名です。青森県の中央には大生山脈が縦走し、西側を津軽地方、東側を南部地方と言い、それぞれ異なる歴史や気候、文化、風土を持っています。
青森県は全国有数の農業件で、主要な出荷品目はリンゴ、長いも、ニンニクが全国一の生産量です。漁業も盛んでサバやイカの水揚げ高は日本一です。また、県南部には八戸臨海工業地帯があり、火力発電所、造船所、製紙工場などが立地しています。原子力発電所、風力発電所なども多く存在します。
青森県は県全域が豪雪地帯に指定されています。冬は日本海側では多くの雪が降りますが、奥羽山脈が障壁となり太平洋側は乾燥した晴天の日が多いのが特徴です。夏は冷たく湿った偏東風(ヤマセ)のため、太平洋側で低温・多湿の日が多くなります。

②平均賃金(令和5年9月毎月勤労統計調査)

令和5年の1人平均月間現金給与総額は、227,711円で、全国平均の約27万円と比較すると低くなっています。
令和5年10月1日より最低賃金が853円から898円に引き上げられました。全国平均は1,004円ですので106円安で37位です。総務省統計局が2023年に発表した消費者物価地域差指数によると、青森県についての指数では平均100.0を下回り98.3で、平均月間現金給与総額や時給を考えるとバランスがとれているといえるのではないでしょうか。また、住居費は2LDKの場合、最も高いのは十和田市で7.0万円、同地域の3LDKでは8.4万円です。近県と比較すると、家賃は比較的安いと言えるでしょう。住む場所によって生活費の負担は大きく変わります。住居費、交通費、通勤時間などの兼ね合いをよく考え住む場所を決定していく方が良いでしょう。

動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)

①診療施設数(都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況)

111件(産業動物 72件、小動物 39件) 全国38位(小動物のみ)

②就業している獣医師数の合計(獣医師法第22条に基づく届出概況)

産業動物、小動物診療施設の合計で147名(産業動物 61人、小動物 86人、その他の動物 0人)

③青森県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

雇用獣医師数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10~ 合計
青森県の施設数45234300010076
全国平均数168.753.316.68.55.33.62.51.516.8-
雇用獣医師数 青森県の施設数全国平均数
145168.7
22353.3
3416.6
438.5
505.3
603.6
702.5
811.5
901
10~06.8
合計76-

青森県の物病院数と全国平均を比較してみましょう。
青森では就業獣医師数が147人、うち86人が小動物診療施設勤務で、産業動物に従事する獣医師数が61人で小動物診療を希望する獣医師の割合が産業動物の従事する獣医師数より若干多いです。産業動物に従事する獣医師数が多いのは酪農が盛んな県ならではと言えるでしょう。青森県の動物病院では、獣医師1名の病院が6割を超え、獣医師が複数勤務している病院の方が少ない状態です、大規模な動物病院の数が少ないと言えるでしょう。将来、自分がどのような獣医師を目指すのかをしっかり考えて勤務希望先を考えましょう。産業動物の診療施設が多くありますので、産業動物の獣医師を目指す方も視野に入れましょう。

④犬の登録数と獣医師の関係

1.犬の登録数
登録頭数:51,026頭
狂犬病予防注射頭数:44,446頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
593頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
13.9件(17位)

北里大学獣医学部付属動物病院

青森県には北里大学獣医学部があり、付属動物病院が併設されています。小動物診療センターと大動物診療センターがあり、1次診療動物病院からの完全予約制になっています。

①所在地

〒034-8628 青森県十和田市東二十三番町35-1
TEL
小動物診療センター 0176-24-9436
大動物診療センター 0176-24-9368
HPはこちら

②診療科目と診療日

1. 診療科目
【小動物診療センター】
・一般内科 ・眼科・循環器科 ・軟部外科/整形外科 ・神経科・放射線科
【大動物診療センター】
・大動物臨床科 ・繁殖科

2.診療日
月~金曜日(土日祝は休診・大学指定日休診)
9:00~11:00 / 13:00~15:00

③受診方法

かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。 (情報は変わることがありますので、必ずHPをご確認ください)

まとめ

青森県の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。青森県は人口10万人当たりの動物病院数は13.9件で、人口当たりの動物病院数は少なく全国順位では17位になっています。獣医師1名当たりの犬の登録件数は593頭と東京の195頭に比較すると約3倍となります。人口10万人当たりの動物病院数は全国17位ですので、年間で担当できる動物の数が少なく一症例をじっくり診察可能と言えるでしょう。産業動物の診療施設数も多いので、産業動物を視野に入れている獣医師は勤務先として考えてみてもよいでしょう。転職や就職活動の際には病院見学を重ね、じっくり検討しましょう。

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