動物病院と統計2024.03.13

佐賀県の統計と動物病院

佐賀県は九州の北西部に位置し、福岡県と長崎県に隣接しています。玄界灘と有明海に面しており、水産業が盛んです。特に有明海の海苔は有名で、生産量は全国1位を誇ります。佐賀県は九州地方の中では最も面積、経済規模が小さい県であり、人口は隣接する福岡市の半分です。歴史的には弥吉時代の最も有名な遺跡である吉野ヶ里遺跡があります。そのような佐賀県の動物病院、獣医師数と佐賀県の統計について紹介したいと思います。

目次

  1. 佐賀県の統計データ(2023年10月)
  2. 佐賀県の特徴
  3. 動物病院に関する統計(令和3年11月24日現在 令和2年獣医師の届け出状況)
  4. 近隣の大学病院
  5. まとめ

佐賀県の統計データ(2023年10月)

①人口、面積

人口:794,385人(41位 日本の総人口の約0.006%、人口密度:325.48人/km2)
1位 佐賀市 228,553人(人口密度:533.4人/km2)
2位 唐津市 116,323人(人口密度:242.8人/km2)
3位 鳥栖市  74,229人(人口密度:1032.3人/km2) 
     
面積:2,440.68km2(42位)
1位 唐津市 487.60km2
2位 佐賀市 431.82km2
3位 伊万里市 255.25km2
             

②人口増減

1.人口推移
佐賀県の人口は2023年10月時点で79万4,385人となり、2020年比で17,057人の減少となりました。佐賀県の人口は1955年の約97万人をピークに、減少が続いています。国立社会保障・人口問題研究所によると2040年には人口が2023年比13.4%減の68万7,798人、2050年には21.8%減の62万0,873人になると予測されています。
 
2.高齢化率と出生率
1)高齢化率
国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2020年時点の佐賀県の高齢化率は30.6%で、高齢者65歳以上)人口は約24万人となっています。2040年には高齢化率が36.7%で約25万人、2050年には39.3%で約24万人になる見込みです。少子化が進み、高齢化率が高くなると、結果として労働者年齢層が減っていきますので、人口減少対策が急がれています。

2)出生率
2023年度の厚生労働省の発表によると佐賀県の出生数は5,552人で、前年より約301人減少しました。全国の出生数合計は72.6万人で、前年度比8.4%ダウンしました。2023年の出生率は1.52で全国順位3位で、全国平均1.30を上回っています。佐賀県の出生率が全国平均に比較して高い理由として、佐賀県は家族の人数が多く、祖父・祖母の同居率も高く共働きがしやすいなどがあげられます。ほかには子育て環境が良いなどの県全体の取り組みの影響も大きいでしょう。

佐賀県の特徴

①地理的・産業的特徴

佐賀県は九州の北西部に位置し、福岡県と長崎県に隣接しています。北西部はリアス式海岸と砂浜の玄界灘があり、南東部は干潟と干拓地の有明海という、海岸線の様子が全く異なる2つの海に面しています。1000m球の山地や県の面積の3割を占める佐賀平野があるなど自然環境に恵まれています。福岡県に近い鳥栖市は久留米市に隣接し、交通の要所かつ工業地域で、福岡都市圏のベッドタウンでもあるため住宅開発が進み人口が増加しています。
九州は比較的温暖な地域が多いですが、佐賀県は冬の寒さが厳しく東京よりも寒い時期があります。また、九州は台風の通過が多く大きな被害も報告されますが、佐賀県は九州のほかの県と比べると少ない方でしょう。
佐賀県の産業構造は、農業や水産業に代表される第1次産業のウエイトが全国に比べて高い傾向があります。製造業では陶磁器の伊万里焼や唐津焼が伝統産業として有名です。最近では半導体や自動車関連産業、食料品工業などの生活に関係が深い会社が多くなってきています。観光名所としては、吉野ケ里歴史公園、嬉野温泉などが有名です。

②平均賃金(令和5年9月毎月勤労統計調査)

令和5年の1人平均月間現金給与総額は、230,659円で、前年同月比1.6%増でした。
令和5年10月1日より最低賃金が853円から900円に引き上げられました。全国平均は1,004円ですので104円安で32位です。総務省統計局が2023年に発表した消費者物価地域差指数によると、佐賀県についての指数では平均100.0よりも下回り97.9です。また、住居費は2LDKの場合、最も高いのは唐津市で6.4万円、同地域の3LDKでは8.5万円です。近県と比較すると、家賃は安いと言えるでしょう。住む場所によって生活費の負担は大きく変わります。住居費、交通費、通勤時間などの兼ね合いをよく考え住む場所を決定していく方が良いでしょう。

動物病院に関する統計(令和3年11月24日現在 令和2年獣医師の届け出状況)

①診療施設数(都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況)

52件(産業動物 19件、小動物 33件) 全国41位(小動物のみ)

②就業している獣医師数の合計(獣医師法第22条に基づく届出概況)

産業動物、小動物診療施設の合計で79名(産業動物 14人、小動物 65人、その他の動物 0 人)

③佐賀県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

雇用獣医師数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10~ 合計
佐賀県の施設数37100200000049
全国平均数168.753.316.68.55.33.62.51.516.8-
雇用獣医師数 佐賀県の施設数全国平均数
137168.7
21053.3
3016.6
428.5
505.3
603.6
702.5
801.5
901
10~06.8
合計49-

佐賀県の物病院数と全国平均を比較してみましょう。
佐賀では就業獣医師数が79人、うち65人が小動物診療施設勤務です。佐賀県の動物病院では、獣医師1~2名の病院がほとんどで、獣医師が複数勤務している病院の方が少ない状態です。獣医師が5人以上勤務している病院は統計上なく、小規模な病院がほとんどです。ホームドクターとして親身に診療してくれる動物病院が多く、様々な症例へのチャレンジの機会は多いと言えるでしょう。

④犬の登録数と獣医師の関係

1.犬の登録数
登録頭数:37,584頭
狂犬病予防注射頭数:25,594頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
578頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
11.0件(41位)

近隣の大学病院

佐賀県には獣医学部がなく、九州地域には宮崎大学、鹿児島大学に獣医学部があります。しかしながら、交通事情的には山口大学が大学病院としては行きやすいのではないでしょうか。今回は、山口大学動物医療センターを紹介します。

①所在地

〒753-8515 山口県山口市吉田1677-1
TEL:083-933-5931 FAX:083-933-5930
HPはこちら

②診療科目と診療日

1. 診療科目 
・外科 ・内科 ・繫殖科 ・放射線治療科 ・大動物診療科

2. 診療日
【外科系/放射線治療】火・木・金曜日(手術:月/水曜日)
【内科系】月・水・金曜日
診察受付時間:AM9:00~11:30

③受診方法

かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。

まとめ

佐賀県の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。佐賀県の動物病院数は全国41位です。人口10万人当たりの動物病院数は11.0件で、人口当たりの動物病院数は少な目で全国順位では37位になっています。獣医師1名当たりの犬の登録件数は578頭と東京の195頭に比較すると約3倍となり、診療担当可能な動物の数が多いので、多くの症例を担当することができる可能性が高いでしょう。獣医師が5人以上在籍する病院が統計上ないため、高度医療を焦点に入れる場合は検討が必要かもしれません。情報は変化しますので、就職活動を行う際には各動物病院のホームページなどで確認をお願いします。

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