動物病院と統計2024.09.03

福井県の統計と動物病院

福井県は日本海に面しており、越前海岸や九頭竜湖などの豊かな自然に恵まれています。お米をはじめ農林水産業が地域に根差しており、県民の就業率が全国上位です。冬季の日照時間が少なく、降水量が多いのが特徴です。福井県は冬季の降雪が多いのも特徴です。
このような福井県の動物病院、獣医師数と福井県の統計について紹介します。

目次

  1. 福井県の統計データ(2023年10月)
  2. 福井県の特徴
  3. 動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)
  4. 近隣の動物医療センターがある大学:岐阜大学
  5. まとめ

福井県の統計データ(2023年10月)

①人口、面積

人口:752,390人(43位 日本の総人口の約0.6%、人口密度:177.7人/km2)
1位 福井市 262,328人(人口密度:489人/km2)
2位 坂井市 88,611人(人口密度:422人/km2)
3位 越前市 80,611人(人口密度:349人/km2)

面積:4,190.54km2 (34位)
1位 大野市 872.4km2
2位 福井市 536.4km2
3位 南越前市 343.7km2

②人口増減

1.人口推移
福井県の人口は2023年10月時点で75万2,390人となり、2020年比で14,473人の減少となりました。福井県の人口は2000年の約83万人をピークに、緩やかな減少が続いています。国立社会保障・人口問題研究所によると2040年には人口が2023年比15%減の63万9,182人、2050年には24%減の57万2,885人になると予測されています。

2.高齢化率と出生率
ア)高齢化率
国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2020年時点の福井県の高齢化率は30.6%で、高齢者(65歳以上)人口は約23万人となっています。2040年には高齢化率が37.6%で約24万人、2050年には40.3%で約23万人になる見込みです。福井県でも高齢化は進んでいますが、高齢化が進むスピードは他府県に比較すると急速に進んでおり、地域によっては半数が65歳以上の人口になることが予測されます。

イ)出生率
2023年度の厚生労働省の発表によると、福井県の出生数は4,738人で、前年より約338人減少しました。全国の出生数合計は72.6万人で、前年度比5.7%ダウンしました。福井県の2024年の出生率は概算で1.46で、全国6位となっています。。全国平均は1.20ですので、0.26ポイント上回っています。福井県の出生数は年々減少していますが、日本一子育てをしやすい幸福県「ふく育県」を宣言し、子育てしやすい環境整備、出生数の底上げ、子育て世代の移住促進に注力しています。

福井県の特徴

①地理的・産業的特徴

福井県は、日本海側のほぼ中央に位置し、北は石川県、南東は岐阜県、南西は滋賀県・京都府に連なっています。県内には「白山国立公園」「奥越高原県立自然公園」に代表される山々、「越前加賀海岸国定公園」「若狭湾国定公園」に地底された海岸、良質な水資源と豊かな自然環境に恵まれています。
福井県の主な産業には、繊維工業、化学工業、電子系製造行などがありますが、鯖江市の眼鏡産業や伝統工芸品も盛んです。農業ではコシヒカリに代表されるおいしい米の生産基地として知られています。
また、福井県には15基の原子力発電所があり、全国の原子力発電量の25%強を賄っています。
日本海側に特有な気候で、夏は蒸し暑く、冬は曇りや雪の日が多い傾向にあります。降雨量が多く、年間の降水日数が170日で、「弁当忘れても傘忘れるな」という天気の格言が存在します。また、積雪量も多く、大野市では年間降雪量が500㎝と豪雪地帯に指定されています。

②平均賃金(令和5年9月毎月勤労統計調査)

令和5年の1人平均月間現金給与総額は、245,737円で、全国平均の約27万円と比較すると低くなっています。
令和5年10月1日より最低賃金が888円から931円に引き上げられました。全国平均は1,004円ですので73円安で25位です。総務省統計局が2023年に発表した消費者物価地域差指数によると、福井県についての指数では平均100.0を下回り99.4で、平均月間現金給与総額や時給を考えると物価水準がやや高めと言えます。また、住居費は2LDKの場合、最も高いのは吉田郡で8.0万円、同地域の3LDKでは8.1万円です。家賃相場は居住地域によって大きく異なりますので、住まいを探すときには家賃相場をしっかり確認した方がよいでしょう。近県と比較すると、家賃は総体的に安めだが地域のよって異なると言えるでしょう。住む場所によって生活費の負担は大きく変わります。住居費、交通費、通勤時間などの兼ね合いをよく考え住む場所を決定していく方が良いでしょう。

動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)

①診療施設数(都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況 個人開業のみ)

18件(産業動物 3件、小動物15件) 全国48位(小動物のみ)

②就業している獣医師数の合計(獣医師法第22条に基づく届出概況 )

産業動物、小動物診療施設の合計で61名(産業動物3人、小動物57人、その他の動物 1 人)
福井県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

③福井県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

雇用獣医師数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10~ 合計
福井県の
施設数
26103300110044
全国平均数168.753.316.68.55.33.62.51.516.8-
雇用獣医師数 福井県の施設数全国平均数
126168.7
21053.3
3316.6
438.5
505.3
603.6
712.5
811.5
901
10~06.8
合計44-

福井県の物病院数と全国平均を比較してみましょう。
福井では就業獣医師数が61人、うち57人が小動物診療施設勤務で、産業動物に従事する獣医師数が3人です。福井県の動物病院では、獣医師1名の病院が約6割を占めています。獣医師が複数名勤務する病院が少なく、小規模の病院が多いのが特徴的です。小~中規模病院が多く、大規模病院は少ないと言えるでしょう。将来、自分がどのような獣医師を目指すのかをしっかり考えて勤務希望先を考えましょう。

④犬の登録数と獣医師の関係

1.犬の登録数
登録頭数: 30,136頭
狂犬病予防注射頭数: 23,625頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
528頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
5.3件 (45位)

近隣の動物医療センターがある大学:岐阜大学

福井県には獣医学部がある大学がなく、近隣の大学病院として岐阜大学動物病院があり中部地区で唯一の大学付属動物病院です。

①所在地

〒501-1193 岐阜県岐阜市柳戸1-1
TEL:058-293-2962/2963
HPはこちら

②診療科目と診療日

1. 診療科目 
【小動物診療科】
・外科 ・内科 ・腫瘍科 ・神経科 ・麻酔科 ・整形外科 ・臨床繁殖科

2.診療日
月~金曜日(土日祝、診察に支障がある日、年末年始(12/28~1/3)は休診)
9:00~11:30

③受診方法

かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。

まとめ

福井県の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。福井県は人口10万人当たりの動物病院数は5.3件で、全国順位では45位になっています。獣医師1名当たりの犬の登録件数は528頭と東京の195頭に比較すると約3倍となります。年間で担当できる動物の数が多く、多くの経験を積むことができるといえるでしょう。小規模な病院が多く、大規模な2次診療動物病院が少ないので、高度医療が必要な場合は近県の二次診療病院を紹介しなければいけない可能性があります。転職や就職活動の際には病院見学を重ね、じっくり検討しましょう。

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