動物病院と統計2024.07.02

宮城県の統計と動物病院

宮城県は東北地方の南東部に位置する県です。県庁所在地の仙台市は、「杜の都」とも呼ばれる東北地方唯一の政令指定都市です。政治・経済面などでも東北地方の中心的役割を果たしています。日本三景の一つに数えられる松島、呼子温泉郷や蔵王など豊富な観光資源がそろっています。
このような宮城県の動物病院、獣医師数と宮城県の統計について紹介します。

目次

  1. 宮城県の統計データ(2023年10月)
  2. 宮城県の特徴
  3. 動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)
  4. 岩手大学動物病院
  5. まとめ

宮城県の統計データ(2023年10月)

①人口、面積

人口:2,257,472人(14位 日本の総人口の約1.88%、人口密度:320.5人/km2)
1位 仙台市 1,096,091人(人口密度:1,376.3人/km2)
2位 石巻市 132,523人(人口密度:265.5人/km2)
3位 大崎市 121,763人(人口密度:167.4人/km2)

面積: 7282.291km2 (16位)
1位 栗原市 805.00km2
2位 大崎市 796.81km2
3位 仙台市 786.48km2

②人口増減

1.人口推移
宮城県の人口は2023年10月時点で225万7,472人となり、2020年比で44,524人の減少となりました。宮城県の人口は2003年の約238万人をピークに、緩やかな減少が続いています。国立社会保障・人口問題研究所によると2040年には人口が2023年比25%減の201万4,339人、2050年には39%減の182万9,565人になると予測されています。

2.高齢化率と出生率
1)高齢化率
国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2020年時点の宮城県の高齢化率は28.1%で、高齢者65歳以上)人口は約65万人となっています。2040年には高齢化率が35.4%で約72万人、2050年には37.7%で約72万人になる見込みです。宮城県でも高齢化は進んでいますが、高齢化が進むスピードは他府県に比較すると比較的緩やかですが、将来的には1/3近くが高齢者となる見込みです。

2)出生率
2023年度の厚生労働省発表によると、宮城県の出生数は13,761人で、前年より約719人減少しました。全国の出生数合計は72.6万人で、前年度比5.7%ダウンしました。宮城県の2023年の出生率は1.07で、前々年の1.09より0.02ポイント減となっています。全国平均は1.20ですので、0.13ポイント下回っています。また、全国の都道府県の中では東京都の0.99、北海道の1.06に次いで3番目に低い出生率です。宮城県の出生数は年々減少していますが、若者の県外への転出が多い、女性人口の減少、経済的な問題などが理由にあげられ、転出の歯止めの対策や子育て・共働きをしやすい環境の整備も課題となります。

宮城県の特徴

①地理的・産業的特徴

宮城県は北側で岩手県、南側で福島県、西側で山形県に接しています。宮城県の総面積は約7,282平方キロメートルで、日本の都道府県の中では16番目の広さです。宮城県は自然が豊かで、奥羽山脈や蔵王連峰などをはじめとし標高の高い山が複数あります。県南には標高の高い山はないが、阿武隈高地、北上高地などが延びています。県の東側は太平洋に面しており、リアス式海岸を形成しています。また、宮城県の平野は特に南東部や北部で発達し、仙台平野と呼ばれるが、ここを多くの北上川、阿武隈川など多くの川が流れています。
「食材王国みやぎ」とも呼ばれ、多彩で豊富な農産物や水産物に恵まれています。日本を代表するお米「ササニシキ」や「ひとめぼれ」などのお米の育成地であり、全国有数の米どころとして知られています。仙台牛をはじめとする肉用牛やその他農作物の産地でもあります。
観光面では、国宝建築に指定されている瑞厳寺や大崎八幡宮などの、歴史のある神社仏閣が多くあります。仙台七夕も数百年の歴史がある祭りで、多くの観光客が訪れます。
一年を通して過ごしやすい気候で、夏でも最高気温が35度以上の猛暑日はほとんどなく、冬も晴れの日が多く真冬日になることは稀です。冬は雪は降りますが降雪量は、東北地方の他の件に比較すると少なく累計の降雪量は90㎝と福島県の三分の一、山形県の五分の一程度です。

②平均賃金(令和5年9月毎月勤労統計調査)

令和5年の1人平均月間現金給与総額は、252,037円で、全国平均の約27万円と比較すると低くなっています。
令和5年10月1日より最低賃金が883円から923円に引き上げられました。全国平均は1,004円ですので81円安で29位です。総務省統計局が2023年に発表した消費者物価地域差指数によると、宮城県についての指数では平均100.0を下回り99.5で、平均月間現金給与総額や時給を考えると物価水準が低いと言えます。また、住居費は2LDKの場合、最も高いのは仙台市で8.5万円、同地域の3LDKでは10.9万円です。近県と比較すると、家賃は高いと言えるでしょう。住む場所によって生活費の負担は大きく変わります。住居費、交通費、通勤時間などの兼ね合いをよく考え住む場所を決定していく方が良いでしょう。

動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)

①診療施設数(都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況 個人開業)

163件(産業動物 72件、小動物 91件) 全国17位(小動物のみ)

②就業している獣医師数の合計(獣医師法第22条に基づく届出概況)

産業動物、小動物診療施設の合計で334名(産業動物 76人、小動物256人、その他の動物 2 人)

③宮城県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

雇用獣医師数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10~ 合計
宮城県の施設数112381010460016187
全国平均数168.753.316.68.55.33.62.51.516.8-
雇用獣医師数 宮城県の施設数全国平均数
1112168.7
23853.3
31016.6
4108.5
545.3
663.6
702.5
801.5
911
10~66.8
合計187-

宮城県の物病院数と全国平均を比較してみましょう。
宮城では就業獣医師数が298人、うち187人が小動物診療施設勤務で、産業動物に従事する獣医師数が111人です。宮城県の動物病院では、獣医師1名の病院が約6割を占めていますが、獣医師が複数名勤務する病院が多いのも特徴的です。小規模病院から大規模病院までそろっていると言えるでしょう。将来、自分がどのような獣医師を目指すのかをしっかり考えて勤務希望先を考えましょう。

④犬の登録数と獣医師の関係

1.犬の登録数
登録頭数: 105,107頭
狂犬病予防注射頭数: 85,420頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
410頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
12.9件 (18位)

岩手大学動物病院

宮城県には獣医学部のある大学がありません。近県には岩手大学農学部共同獣医学科があります。今回は岩手大学動物病院を紹介します。

①所在地

〒020-8550 岩手県盛岡市上田3-18-8
TEL:019-621-6238
HPはこちら

②診療科目と診療日

1. 診療科目
【伴侶動物診療科】
・一般内科 ・腎泌尿器内科 ・血液内科 ・皮膚科 ・循環器科 ・一般外科 ・神経科 ・腎泌尿器外科 ・整形外科 ・軟部、腫瘍外科 ・画像診断、放射線治療科
【産業動物診療科】
・個体診療の部 ・検診の部 ・牛群管理の部
【パピークラス】

2.診療日
月~金曜日(土日祝は休診・大学指定日休診)
9:00~11:00 / 13:00~15:00
【受付時間】 AM 9:00~11:00
【診療時間】 AM 9:00~12:00
※土曜、日曜、祝祭日は休診です。

③受診方法

かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。 (情報は変わることがありますので、必ずHPをご確認ください)

まとめ

宮城県の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。宮城県は人口10万人当たりの動物病院数は12.9件で、人口当たりの動物病院数は平均的で全国順位では18位になっています。獣医師1名当たりの犬の登録件数は410頭と東京の195頭に比較すると約2倍となります。年間で担当できる動物の数が多く、多くの経験を積むことができるでしょう。宮城県には獣医学部のある大学がないのですが、獣医師数が少ない小規模の動物病院から、獣医師を多く抱える病院まで様々です。転職や就職活動の際には病院見学を重ね、じっくり検討しましょう。

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