動物病院と統計2024.09.11

山梨県の統計と動物病院

山梨県は全国有数の森林県で、県土の約78%を森林が占めています。富士山、八ヶ岳、南アルプスなどの山々がそびえ、広大な森が広がっています。また、水資源が豊富でミネラルウォーター発祥の地でもあります。もも、ぶどう、サクランボなどの果物生産量が多く、ワインの生産量は日本一です。
このような自然豊かな山梨県の動物病院、獣医師数と山梨県の統計について紹介します。

目次

  1. 山梨県の統計データ(2024年4月)
  2. 山梨県の特徴
  3. 動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)
  4. 近隣の動物医療センターがある大学:麻布大学
  5. まとめ

山梨県の統計データ(2024年4月)

①人口、面積

人口:790,368人(41位 日本の総人口の約0.7%、人口密度:178.2人/km2)
1位 甲府市 189,591人(人口密度:893人/km2)
2位 甲斐市 75,313人(人口密度:1,047人/km2)
3位 南アルプス市 69,459人(人口密度:263人/km2)

面積:4,465.27km2 (32位)
1位 北杜市 602.5km2
2位 早川町 370.0km2
3位 身延町 302.0km2

②人口増減

1.人口推移
山梨県の人口は2024年4月時点で79万0,368人となり、2020年比で19,606人の減少となりました。山梨県の人口は2000年の約90万人をピークに、緩やかな減少が続いています。国立社会保障・人口問題研究所によると2040年には人口が2024年比14%減の68万1,111人、2050年には23%減の61万1,586人になると予測されています。

2.高齢化率と出生率
ア)高齢化率
国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2020年時点の山梨県の高齢化率は30.6%で、高齢者(65歳以上)人口は約25万人となっています。2040年には高齢化率が39.6%で約27万人、2050年には41.7%で約26万人になる見込みです。山梨県でも高齢化は進んでいますが、高齢化が進むスピードは他府県に比較すると急速に進んでおり、地域によっては半数が65歳以上の人口になることが予測されます。

イ)出生率
厚生労働省発表の2023年度の山梨県の出生数は4,652人で、前年より約367人減少しました。全国の出生数合計は72.6万人で、前年度比5.7%ダウンしました。山梨県の2023年の出生率は概算で1.32、全国13位となっています。全国平均は1.20ですので、0.12ポイント上回っています。山梨県の出生数は年々減少しており、「やまなし縁結び応援ネットワーク」を構築するなど対策をとっています。

山梨県の特徴

①地理的・産業的特徴

山梨県は、日本列島中央付近に位置する内陸県です。県の約80%は山地で、八ヶ岳、赤石山脈、富士山などの山々があり、その山麓地域は火山地域です。自然が豊かである一方、可住地面積は約20%で、都道府県別可住地面積比率は全国で4番目に低くなっています。急峻な地形に加え、脆弱な地質が広く分布していることから土砂災害が起こりやすい状況です。
山梨県の主な産業は電子部品、生産用機械、電気機械、デバイスなどが主要なものとなっています。また、ジュエリー、ワイン、織物、印鑑、和紙など山梨県の風土に根差した地場産業も盛んです。豊富な水資源を利用したミネラルウォーターの発祥の地でもあります。
山梨県の気候の特徴は、昼と夜の温度差が大きい、年間降水量が少なく日照時間が長いことです。気候的な特徴がフルーツ栽培に向いており、古くからももやぶどうの栽培が盛んです。山梨県の冬は非常に寒さが厳しく、通称やつおろしと呼ばれる八ヶ岳から吹き降ろす強い風が吹くとかなり冷えます。夏は暑さが厳しく、最高気温40.5度を記録するなど暑い地域としても有名です。甲府市内の積雪量は10㎝以下と少ない傾向にありますが、山間部では積雪量が増えます。

②平均賃金(令和5年9月毎月勤労統計調査)

令和5年の1人平均月間現金給与総額は、253,920円で、全国平均の約27万円と比較すると低くなっています。
令和5年10月1日より最低賃金が938円に引き上げられました。全国平均は1,004円ですので66円安で20位です。令和6年10月1日より、988円に引き上げられることが決定しています。総務省統計局が2023年に発表した消費者物価地域差指数によると、山梨県についての指数では平均100.0を下回り98.1で、平均月間現金給与総額や時給を考えると物価水準がやや低めと言えます。また、住居費は2LDKの場合、最も高いのは韮崎市で7.0万円、同地域の3LDKでは8.0万円です。家賃相場は居住地域によって大きく異なりますので、住まいを探すときには家賃相場をしっかり確認した方がよいでしょう。近県と比較すると、家賃は総体的に安めだが地域のよって異なると言えるでしょう。住む場所によって生活費の負担は大きく変わります。住居費、交通費、通勤時間などの兼ね合いをよく考え住む場所を決定していく方が良いでしょう。

動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)

①診療施設数(都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況 個人開業のみ)

69件(産業動物 9件、小動物60件) 全国34位(小動物のみ)

②就業している獣医師数の合計(獣医師法第22条に基づく届出概況 )

産業動物、小動物診療施設の合計で107名(産業動物4人、小動物103人、その他の動物 0 人)
山梨県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

③山梨県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

雇用獣医師数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10~ 合計
山梨県の
施設数
68176100001295
全国平均数168.753.316.68.55.33.62.51.516.8-
雇用獣医師数 山梨県の施設数全国平均数
168168.7
21753.3
3616.6
418.5
505.3
603.6
702.5
801.5
911
10~26.8
合計95-

山梨県の物病院数と全国平均を比較してみましょう。
山梨では就業獣医師数が107人、うち103人が小動物診療施設勤務で、産業動物に従事する獣医師数が4人です。山梨県の動物病院では、獣医師1名の病院が約7割を占めています。獣医師が複数名勤務する病院が少なく、小規模の病院が多いのが特徴的です。小規模病院が多く、中規模病院が少なく、大規模病院が就業獣医師数の割には比較的多いと言えるでしょう。将来、自分がどのような獣医師を目指すのかをしっかり考えて勤務希望先を考えましょう。

④犬の登録数と獣医師の関係

1.犬の登録数
登録頭数: 42,127頭
狂犬病予防注射頭数: 30,209頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
409頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
10.4件 (3位)

近隣の動物医療センターがある大学:麻布大学

山梨県には獣医学部のある大学がありません。高速道路を利用して約1時間30分はかかりますが麻布大学付属動物病院を最も近い大学病院として紹介します。
麻布大学付属動物病院は、最先端の獣医療と臨床獣医学教育・研究を実現するための総合動物病院です。年間14,000症例の診療を行っています。二次診療動物病院となっており、開業獣医師からの完全紹介制をとっています。

①所在地

〒252-5201
神奈川県相模原市中央区淵野辺1-17-71
予約電話番号:042-769-2363
HPはこちら

②診療科目と診療日

1. 診療科目 
・画像診断科 ・眼科 ・腫瘍科 ・循環器、呼吸器科 ・神経科 ・整形外科 ・軟部組織外科、腫瘍外科 ・病理診断科 ・内科 ・牛豚診療科 ・総合診療科

2.診療日
【画像診断科】月~金曜日
【眼科】月~木曜日
【循環器・呼吸器科】月(午前)・水(診療・手術)・木・金曜日
【腫瘍科・放射線治療】月~金曜日
【軟部組織外科・腫瘍外科】月~水曜日(手術)、木・金曜日
【整形外科】火~金曜日
【内科】火~金曜日
【神経科】月~金曜日
【総合診療科】月曜日
【CT・MRI科】月~金曜日

診察受付時間:9:00~17:00(診療受付時間~16:00)

③受診方法

かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。
山梨県には獣医学部がある大学がなく、近隣の大学病院として岐阜大学動物病院があり中部地区で唯一の大学付属動物病院です。

まとめ

山梨県の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。山梨県は人口10万人当たりの動物病院数は10.4件で、全国順位では3位になっています。獣医師1名当たりの犬の登録件数は409頭と東京の195頭に比較すると約2倍となります。年間で担当できる動物の数が多く、多くの経験を積むことができるといえるでしょう。小規模な病院が多く、大規模な2次診療動物病院が少ないので、高度医療が必要な場合は近県の二次診療病院を紹介しなければいけない可能性があります。転職や就職活動の際には病院見学を重ね、じっくり検討しましょう。

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