動物病院と統計2024.10.22
鳥取県の統計と動物病院
鳥取県は中国地方の北東部に位置し、北は日本海側に面し鳥取砂丘が有名です。南は中国地方の最高峰・大山をはじめ中国山地の山々が連なっています。自然が豊かな鳥取県では果物、魚、カニなど海の幸・山の幸が豊富にあります。境港は松葉ガニを含むカニ類の水揚げ量が日本一の港です。
このような鳥取県の動物病院、獣医師数と鳥取県の統計について紹介します。
鳥取県の統計データ(2024年4月)
①人口、面積
人口:536,786人(47位 日本の総人口の約0.4%、人口密度:453.73人/km2)
1位 鳥取市 188,465人(人口密度:246人/km2)
2位 米子市 147,317人(人口密度:1,113人/km2)
3位 倉吉市 46,485人(人口密度:171人/km2)
面積:3,507.03km2 (41位)
1位 鳥取市 765.31km2
2位 日野郡日南町 340.96km2
3位 倉吉市 272.06km2
②人口増減
1.人口推移
鳥取県の人口は2024年4月時点で53万6,786人となり、2020年比で16,621人の減少となりました。鳥取県の人口は1998年の約62万人をピークに、減少が続いています。国立社会保障・人口問題研究所によると2040年には人口が2024年比15%減の45万4,497人、2050年には25%減の40万5,528人になると予測されています。
2.高齢化率と出生率
ア)高齢化率
国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2020年時点の鳥取県の高齢化率は32.3%で、高齢者(65歳以上)人口は約18万人となっています。2040年には高齢化率が38.2%で約17万人、2050年には40.9%で約16万人になる見込みです。鳥取県でも高齢化は進んでいますが、人口が少ないため高齢化が進むと労働年齢層への負担が大きくなる可能性があります。地域によっては半数が65歳以上の人口になることが予測されます。
イ)出生率
厚生労働省発表の2023年度の鳥取県の出生数は3,316人で、過去最低の出生数になりました。全国の出生数合計は72.6万人で、前年度比5.7%ダウンしました。鳥取県の2023年の出生率は概算で1.60で、全国3位となっており、全国平均は1.20ですので、0.4ポイント上回っています。出生率は高いですが、鳥取県の出生数は年々減少しており、子育て世代への住宅購入補助金や保育料負担の軽減、子育て給付金などさまざまな取り組みを行っています。
鳥取県の特徴
①地理的・産業的特徴
鳥取県の内陸部には山地が多く、とくに北部の大山は代表的な山です。大山は標高1,729mで中国地方で最も高い山です。また、県内には大きな川が流れており、千代川や日野川が有名です。流域には肥沃な平野が広がり、稲作が盛んです。鳥取の農業では、二十世紀梨、砂丘らっきょう、スイカも有名です。また、鳥取県は日本海に広く面しており、漁業が盛んです。特に松葉ガニは水揚げ量が多く、質の高い松葉ガニは鳥取の名物として全国に知られています。同時にイワシやアジなどの沿岸漁業も盛んで、鳥取港や境港は有数の漁場です。
観光では日本海沿岸部に16kmにわたって広がる鳥取砂丘が有名です。他には、星が非常に美しく観察できることより「星取県」とも呼ばれます。
鳥取県の気候は地域のよって異なりますが、夏は比較的涼しく冬は雪が非常に多いことが特徴です。年間平均気温は15度前後ですが、冬は氷点下になる地域もあります。
②平均賃金(令和5年9月毎月勤労統計調査)
令和5年の1人平均月間現金給与総額は、222,440円で、全国平均の約27万円と比較すると若干低くなっています。
令和6年10月1日より最低賃金が900円から957円に引き上げられます。全国平均は1,055円ですので98円安く33位です。総務省統計局が2023年に発表した消費者物価地域差指数によると、鳥取県についての指数では平均100.0を下回り98.1で、平均月間現金給与総額や時給を考えると物価水準がやや低めと言えます。
また、住居費は2LDKの場合、最も高いのは鳥取市・米子市で5.8万円、同地域の3LDKでは平均8.0万円です。家賃相場は居住地域によって大きく異なりますので、住まいを探すときには家賃相場をしっかり確認した方がよいでしょう。
近県と比較すると、家賃は総体的に安めだが地域によって異なると言えるでしょう。住む場所によって生活費の負担は大きく変わります。住居費、交通費、通勤時間などの兼ね合いをよく考え住む場所を決定していく方が良いでしょう。
動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)
①診療施設数(都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況 個人開業のみ)
55件(産業動物 28、小動物27件) 全国46位(小動物のみ)
②就業している獣医師数の合計(獣医師法第22条に基づく届出概況 )
産業動物、小動物診療施設の合計で87名(産業動物28人、小動物59人、その他の動物 0 人)
鳥取県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)
雇用獣医師数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10~ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
鳥取県の 施設数 | 25 | 13 | 3 | 2 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 45 |
全国平均数 | 168.7 | 53.3 | 16.6 | 8.5 | 5.3 | 3.6 | 2.5 | 1.5 | 1 | 6.8 | - |
雇用獣医師数 | 鳥取県の施設数 | 全国平均数 |
---|---|---|
1 | 25 | 168.7 |
2 | 13 | 53.3 |
3 | 3 | 16.6 |
4 | 2 | 8.5 |
5 | 1 | 5.3 |
6 | 0 | 3.6 |
7 | 1 | 2.5 |
8 | 0 | 1.5 |
9 | 0 | 1 |
10~ | 0 | 6.8 |
合計 | 45 | - |
鳥取県の物病院数と全国平均を比較してみましょう。
鳥取では就業獣医師数が108人、うち45人が小動物診療施設勤務で、産業動物に従事する獣医師数が63人です。鳥取県の動物病院では、獣医師1名の病院が約6割を占めています。獣医師が1~2名で診療する病院の数が圧倒的に多く、大規模の病院が少ないのが特徴的です。鳥取県には鳥取大学農学部付属動物医療センターがありますので、高度医療に関わる機会も持つことができます。将来、自分がどのような獣医師を目指すのかをしっかり考えて勤務希望先を考えましょう。
④犬の登録数と獣医師の関係
1.犬の登録数
登録頭数:21,063頭
狂犬病予防注射頭数: 16,723頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
357頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
7.5件 (46位)
鳥取大学農学部付属動物医療センター
鳥取県には鳥取大学農学部付属動物医療センターがあり、高度動物医療を提供する地域の拠点動物病院としての役割を持っています。また、教育機関でもありますので、獣医学教養試験に合格した学生はStudentDoctorとして臨床の場で学んでいます。
①所在地
〒680-8553
鳥取県鳥取市湖山町南4丁目101
予約電話番号:0857-31-5441
HPはこちら
②診療科目と診療日
1. 診療科目
・内科 ・外科 ・産科 ・腫瘍科 ・循環器科 ・神経科 ・皮膚科 ・眼科 ・検査科 ・画像診断科 ・産業動物科
2.診療日
診察受付時間:9:00~11:00、13:00~15:00(診療開始 9:30~)
初診は午前中のみ、午後は最新予約のみ
③受診方法
かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。
まとめ
鳥取県の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。鳥取県は人口10万人当たりの動物病院数は7.5件で、全国順位では46位になっています。獣医師1名当たりの犬の登録件数は357頭と東京の195頭に比較すると約2倍となります。鳥取県内の動物病院数は少ないですが、鳥取大学農学部付属動物医療センターがありますので高度医療を身近で経験する機会に恵まれます。転職や就職活動の際には病院見学を重ね、じっくり検討しましょう。