動物病院と統計2023.09.19

東京都の統計と動物病院

東京都は江戸時代から日本の首都として発展を続けている大都市で、日本のあらゆる機能の中心を担っています。そのような主要都市である東京都の動物病院、獣医師数と東京都統計について紹介したいと思います。

目次

  1. 東京都の統計データ(令和5年 国勢調査)
  2. 東京都の特徴
  3. 動物病院に関する統計(令和3年11月24日現在 令和2年獣医師の届け出状況)
  4. 東京大学大学院農学生命科学研究科付属動物医療センター
  5. まとめ

東京都の統計データ(令和5年 国勢調査)

①人口、面積

人口:14,097,838人(1位 日本の総人口の約10%、人口密度:6399.46人/km2)
※東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の占める人口割合は28%で、日本の総人口の約1/4が集中しています。

1位 世田谷区 939,112人(人口密度:16,191人/km2)
2位 練馬区 751,474人(人口密度:15,655人/km2)
3位 大田区 743,683人(人口密度:12,191人/km2) 
     
面積:2,194.07km2(44位)
1位 奥多摩町 225.53km2
2位 八王子市 186.38km2
3位 小笠原村 106.88km2
             

②人口増減

1.昼夜間人口
東京都を初めてする大都市の場合、昼間人口と夜間人口が大きく異なることがあります。これは、東京都に通勤・通学しているが居住地は異なるケースがあるからです。

昼間人口 1,675万人
夜間人口 1,405万人
昼夜間人口比率 119.2

2.高齢化率と出生率
1)高齢化率
東京都の住民基調台帳に基づく発表で、2022年9月15日時点の東京都の高齢者(65歳以上)人口は312万人で、過去最高を記録しました。高齢化率は23.5%となり、前年比0.1ポイント上昇しました。75歳以上人口は前年と比べ54,000人増の171万人で、過去最高です。

2)出生率
2022年9月16日、厚生労働省発表の2021年度の東京都の出生数は95,404人で、前年より4,257人減少しました。出生率は1.08で全国平均の1.30を下回りました。

東京都の特徴

①地理的特徴

東京都は本州のほぼ真ん中に位置し、東側は東京湾に面しており、東京ディズニーリゾートや羽田空港などが位置し海岸線のほとんどが開発されています。しかし西側には自然が多く残っており、標高2017mの雲取山などの山もあります。また、4本の1級河川が関東最大の関東平野を流れています。高層ビルのイメージがある東京ですが、水産業は比較的盛んにおこなわれています。

②平均賃金(令和3年毎月勤労統計調査)

令和3年の1人平均月間現金給与総額は、296,968円で、前年比2.6%増でした。
令和5年10月1日より最低賃金が1,072円から1,113円に引き上げられます。全国平均は1,004円ですので111円高いです。しかし、総務省統計局が2020年に発表した消費者物価地域差指数では、最も高い東京都と全国平均の差はわずか5.2%で大差がありません。ところが、東京都の住居費は全国平均と比べて34.5%も高く、これが家計圧迫の原因の一つかもしれません。

動物病院に関する統計(令和3年11月24日現在 令和2年獣医師の届け出状況)

①診療施設数

1,930件(産業動物 72件、小動物 1,858件)

②就業している獣医師数の合計

産業動物、小動物診療施設の合計で2,717名(産業動物 21人、小動物 2,663人)

③東京都における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

雇用獣医師数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10~ 合計
東京の施設数1073385150644238161312651858
全国平均数168.753.316.68.55.33.62.51.516.8-
雇用獣医師数 東京の施設数全国平均数
11073168.7
238553.3
315016.6
4648.5
5425.3
6383.6
7162.5
8131.5
9121
10~656.8
合計1858-

最も動物病院数が多い東京と全国平均を比較してみましょう。
東京では就業獣医師数が1930人、うち1858人が小動物診療施設です。1名の獣医師を雇用している病院は1073件で割合としては57%で最も多く、2名以上の獣医師を雇用している動物病院が全体の43%を占めています。
全国の動物病院の合計が12,616件で約10%が東京に集中し、動物病院に勤務する獣医師数は全国合計16,203名で約16%の2,663名が東京都に集中しています。
人口に比例するように東京都に獣医療が局在化しているといえるでしょう。

④犬の登録数と獣医師の関係

1. 犬の登録数
登録頭数: 519,234頭
狂犬病予防注射頭数: 379,112頭
2. 小動物獣医療1人あたりの犬登録数
195頭/人
3. 人口10万人あたりの動物病院数
8.2件

東京大学大学院農学生命科学研究科付属動物医療センター

東京大学大学院農学生命科学研究科附属動物医療センターの前身である家畜病院は1880年に開設され、以来140年余りにわたって教育現場、高度獣医療を提供する二次診療動物病院となっており、開業獣医師からの完全紹介制をとっています。

①所在地

〒113-0032 東京都文京区弥生1丁目1−1 東京大学 弥生キャンパス
TEL:03-5841-5420
HPはこちら

②診療科目と診療日

1. 診療科目 
・内科系診療科・外科系診療科・眼科・エキゾチック動物診療科・行動診療科・産業動物診療科・画像診断部・病理、遺伝子診断部・麻酔、集中治療部・薬剤部・看護部

2.診療日
【外科】月・木曜日(手術:火/水/金曜日)
【内科】火・水・金曜日(月と木は要相談)
【眼科】月・火・金曜日(手術:水曜日)
【エキゾチック】月曜日(手術:水曜日)
【行動】木曜日
診察受付時間:AM9:00~11:00(行動診療科はAM10:00~17:00)

③受診方法

かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。

まとめ

東京都の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。東京都は日本の中心と言っても過言ではなく、動物病院数や獣医師数も非常に多く全国の10~20%をしめています。東京都の公務員などを含む獣医師の届出者数は4,661人(届出者総数は40,251人)で、日本の獣医師の約約12%が東京都にいるということになります。それだけ、刺激も多く様々な情報が手に入り、経験も多く積むことが可能なのではないでしょうか。

記事一覧へ戻る