動物病院と統計2023.12.26
京都府の統計と動物病院
京都府は近畿地方の北東部に位置する都道府県です。府の一部地域は日本海に面しています。府の中央あたりにある丹波山地が気候の境目となっており、丹波山地より北は冬に降水量のピークがある日本海型です。市街地は盆地となっているため、夏は暑く冬は寒い、寒暖差の激しい気候となっています。京都は観光都市として非常に有名ですが、伝統工芸、農業や林業も盛んです。そのような主要都市である京都府の動物病院、獣医師数と京都府の統計について紹介したいと思います。
京都府の統計データ(令和5年 国勢調査)
①人口、面積
人口:2,536,995人(8位 日本の総人口の約2.04%、人口密度:566.0人/km2)
1位 京都市 1,388,807人(人口密度:12,125人/km2)
2位 宇治市 183,510人(人口密度:5,514人/km2)
3位 亀岡市 87,518人(人口密度:7,804人/km2)
面積:4612.20km2(31位)
1位 京都市 827.83km2
2位 南丹市 616.40km2
3位 福知山市 552.54km2
②人口増減
1.人口推移
京都府の人口は2023年10月時点で253万6995人となり、前年比で13,409人、0.5%の減少となりました。京都市の人口は、2023年4月時点で138万1822人で、2013年から4万人弱減少しています。今後は少子化が緩やかに進み、15~64歳の人口減少、65歳以上の高齢化が加速します。2030年には243万0800人、2035年には233万8800人、2040年には223万8200人の人口になる予想です。
2.高齢化率と出生率
1)高齢化率
京都府の住民基調台帳に基づく発表で、2022年3月31日時点の京都府の高齢者(65歳以上)人口は74万人で、高齢化率は29.4%となりました。高齢化率は地域による差も大きく、京田辺市では24.9%、笠置町では52.1%となっています。京都府の高齢化率は2030年に30.1%、2035年には32.0%、2040年には34.7%と増加する予測です。
2)出生率
厚生労働省発表の発表の2022年度の京都府の出生数は15,068人で、前年より750人減少し、全国で40番目の低さとなっています。出生率は1.18で全国平均の1.26を下回りました。出生率が最低だったのは2005年の1.11ですので、それに比較すると増加傾向ですが地域による差が大きく、1.00を下回る地域もあります。
京都府の特徴
①地理的・産業的特徴
京都府は本州中央付近、近畿地方の中央に位置し、北は日本海に面しますが東西と南は近畿の他府県に接している南北に長い地形の都道府県です。日本海に接する地域はやや入り組んだ地形をしており、内陸では福知山盆地や京都盆地を持っています。気候は丹波山地を境界とする北部と南部で大きく異なり、北部は夏が短く蒸し暑いが、冬は厳しい寒さで積雪量の多い地域もあります。南部は夏と冬の寒暖差が激しく、雨が少なく乾燥しており日照時間が長いことが特徴です。近年ではヒートアイランド現象で局所的に猛暑になる現象が起こっています。琵琶湖を水源とする宇治川、桂川、木津川は合流して淀川となり京都府へと流入します。
観光名所が多いことで有名な京都府ですが、京野菜を代表とする農業や日本海側の若狭湾から丹後半島では魚魚も盛んで、近年では養殖にも力を入れています。京都府の面積の約74%は森林で林業が盛んです。とりわけ材木となる北山杉や栗やキノコといった食べられる特用林産物は有名です。
②平均賃金(令和5年9月毎月勤労統計調査)
令和5年の1人平均月間現金給与総額は、248,576円で、前年比0.8%増でした。
令和5年10月1日より最低賃金が968円から1,0008円に引き上げられます。全国平均は1,004円ですので4円高いです。総務省統計局が2022年に発表した消費者物価地域差指数では、京都府についての指数では平均100.0よりも若干上回り101.0です。また、住居費は1LDK~2DKの場合、京都市は最も高いところ(京都市中京区)で9.4万円以上と高く、同地域の3LDK~では16.9万円以上です。それ以外の京都市では6.9万円~9万円となり住む場所によって生活費の負担は大きく変わります。京都市内へのアクセスのよい京田辺市や伏見区、西京区などでは家賃が低めですので、住居費、交通費、通勤時間などの兼ね合いをよく考え住む場所を決定していく方が良いでしょう。
動物病院に関する統計(令和3年11月24日現在 令和2年獣医師の届け出状況)
①診療施設数
264件(産業動物 6件、小動物 258件) 全国39位
②就業している獣医師数の合計
産業動物、小動物診療施設の合計で362名(産業動物 6人、小動物 352人、その他の動物 4人)
③京都府における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)
雇用獣医師数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10~ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
京都府の施設数 | 149 | 53 | 12 | 9 | 9 | 7 | 4 | 2 | 2 | 11 | 258 |
全国平均数 | 168.7 | 53.3 | 16.6 | 8.5 | 5.3 | 3.6 | 2.5 | 1.5 | 1 | 6.8 | - |
雇用獣医師数 | 京都府の施設数 | 全国平均数 |
---|---|---|
1 | 149 | 168.7 |
2 | 53 | 53.3 |
3 | 12 | 16.6 |
4 | 9 | 8.5 |
5 | 9 | 5.3 |
6 | 7 | 3.6 |
7 | 4 | 2.5 |
8 | 2 | 1.5 |
9 | 2 | 1 |
10~ | 11 | 6.8 |
合計 | 258 | - |
京都府の動物病院数と全国平均を比較してみましょう。
京都では就業獣医師数が362人、うち352人が小動物診療施設勤務です。1名の獣医師を雇用している病院は149件で割合としては57%で最も多く、2名以上の獣医師を雇用している動物病院が全体の21%を占めています。
京都は施設数は多くないのですが、獣医師が10人以上いる動物病院が11件あります。1次診療の動物病院から2次診療の動物病院までが、ほぼ満遍なくあると考えてよいでしょう。
④犬の登録数と獣医師の関係
1.犬の登録数
登録頭数: 121,780頭
狂犬病予防注射頭数: 80,746頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
345頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
10.0件 (39位)
大阪公立大学獣医学部附属獣医臨床センター
京都府には獣医学部のある大学がありませんので、大阪府にある大阪公立大学獣医学部附属獣医臨床センターを紹介します。
2022年4月1日に大阪府立大学と大阪市立大学が統合し大阪公立大学が誕生しました。それに伴い大阪府立大学に付属する獣医臨床センターも改名しました。地域の2次診療病院として11の診療科がありますが、2022年10月1日からりんくう動物救命医療協会と協働して夜間救急診療を開始しました。
①所在地
〒598-0048 大阪府泉佐野市りんくう往来きた1-58 大阪公立大学臨床センター
TEL:072-463-5082
HPはこちら
②診療科目と診療日
1.診療科目
・腫瘍科・軟部組織外科・神経、整形外科・眼科・循環器科・内科・大動物科・検査科・画像診断科・麻酔科・消化器科・夜間救急診療科・あんしん獣医療相談室
2.診療日
【腫瘍科】月・水・木・金(午前)曜日(手術:火曜日)
【軟部組織外科】月・水・木・金(午前)曜日(手術:火曜日)
【軟部組織外科】月・水・金(午前)曜日(手術:火曜日)
【眼科】木曜日
【循環器科】月曜日
【内科】月・火・水・木・金(午前)曜日
【画像診断科】木(午前)曜日
【大動物科】不定(かかりつけ獣医師と相談の上、診療日が決まります)
診察受付時間:
AM9:00~12:00(受付終了11:30)、PM13:00~17:00(受付終了 16:00)
③受診方法
かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。
まとめ
京都府の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。京都府の動物病院数は全国19位で、目立って多いというわけではありませんが、動物病院数を考えると2次診療の動物病院の割合は多いといえるでしょう。人口10万人当たりの動物病院数は10件と東京に比較すると約2件少なく、獣医師1名当たりの犬の登録件数は345頭と東京の195頭に比較すると2倍近く多い計算になります。単純計算ではありますが、多くの症例を担当することができる可能性が高いでしょう。就職、転職の際の参考にしていただければ幸いです。