動物病院と統計2024.05.23

山形県の統計と動物病院

山形県は東北地方の南西部に位置し、日本海側に面しています。東京から概ね北に300㎞、山形新幹線で約3時間の距離にあります。県土の75%が山地、15%が農地となっており自然が多い県です。農業が盛んで全国生産量の70%を占めるさくらんぼの産地としても知られています。山形県の動物病院、獣医師数と山形県の統計について紹介したいと思います。

目次

  1. 山形県の統計データ(2023年10月)
  2. 山形県の特徴
  3. 動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)
  4. 北里大学獣医学部付属動物病院
  5. まとめ

山形県の統計データ(2023年10月)

①人口、面積

人口:1,026,228人(36位 日本の総人口の約0.85%、人口密度:110.07人/km2)
1位 山形市 241,802人(人口密度:649人/km2)
2位 鶴岡市 116,697人(人口密度:93人/km2)
3位 酒田市 95,619人(人口密度:166人/km2)

面積:9,323.15km2 (9位)
1位 鶴岡市 1311.5km2
2位 小国市 737.6km2
3位 酒田市 548.5km2

②人口増減

1.人口推移
山形県の人口は2023年10月時点で102万6,228人となり、2020年比で41,799人の減少となりました。山形県の人口は1950年の約136万人をピークに、緩やかな減少が続いています。国立社会保障・人口問題研究所によると2040年には人口が2023年比21%減の82万7,776人、2050年には30.7%減の71万0,838人になると予測されています。

2.高齢化率と出生率
1)高齢化率
国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2020年時点の山形県の高齢化率は33.8%で、高齢者65歳以上)人口は約36万人となっています。2040年には高齢化率が40.9%で約31万人、2050年には44.3%で約32万人になる見込みです。山形県でも高齢化は進んでいますが、高齢化が進むスピードは他府県に比較すると比較的急と言えるでしょう。

2)出生率
2023年度の厚生労働省の発表によると、山形県の出生数は5,431人で、前年より約243人減少しました。全国の出生数合計は72.6万人で、前年度比5.7%ダウンしました。2022年の出生率は1.32で、前々年の1.41より0.09ポイント減となっています。全国平均は1.26ですので、0.06ポイント上回っています。山形県の出生数は年々減少していますが、若者の県外への転出が多いことも理由にあげられ、転出の歯止めの対策や子育て・共働きをしやすい環境の整備も課題となります。

山形県の特徴

①地理的・産業的特徴

山形県は東北地方の日本海側に位置し、東京から概ね北に300㎞、山形新幹線で約3時間の距離にあり、一般には、全国生産量の7割を占める「さくらんぼ」と鮮やかな四季で知られています。蔵王、月山、鳥海、吾妻、飯豊、旭と日本百名山に数えられる山々に囲まれ、米沢盆地、山形盆地、庄内平野を流れる最上川など自然豊かな県です。
庄内平野を中心に稲作、山形盆地などでは果樹裁判が盛んです。農業が盛んな県ですが、観光では多くの見どころがあり蔵王温泉、銀山温泉などの名湯も有名です。
気候は地域によって異なり、日本海に面する海岸部は多雨多湿で、冬季は北西の季節風が強く、吹雪くこともあります。内陸部は気温較差が大きく、地域によっては冬季は豪雪、夏季には大雨なりやすい特徴があります。全般的に山形県は全国でも有数の多雪地帯で、県内のほぼ全域が「特別豪雪地帯」に指定されています。

②平均賃金(令和5年9月毎月勤労統計調査)

令和5年の1人平均月間現金給与総額は、245,321円で、全国平均の約27万円と比較すると低くなっています。
令和5年10月1日より最低賃金が854円から900円に引き上げられました。全国平均は1,004円ですので104円安で32位です。総務省統計局が2023年に発表した消費者物価地域差指数によると、山形県についての指数では平均100.0を上回り100.7で、平均月間現金給与総額や時給を考えると物価水準が高いと言えます。また、住居費は2LDKの場合、最も高いのは酒田市で7.0万円、同地域の3LDKでは7.5万円です。近県と比較すると、家賃は平均的と言えるでしょう。住む場所によって生活費の負担は大きく変わります。住居費、交通費、通勤時間などの兼ね合いをよく考え住む場所を決定していく方が良いでしょう。

動物病院に関する統計(令和5年12月31日現在 令和6年2月公開 獣医師の届け出状況)

①診療施設数(都道府県別飼育動物診療施設の開設届出状況)

66件(産業動物 40件、小動物 26件) 全国44位(小動物のみ)

②就業している獣医師数の合計(獣医師法第22条に基づく届出概況)

産業動物、小動物診療施設の合計で115名(産業動物 19人、小動物 95人、その他の動物 1 人)

③山形県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

雇用獣医師数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10~ 合計
山形県の施設数38136222000164
全国平均数168.753.316.68.55.33.62.51.516.8-
雇用獣医師数 山形県の施設数全国平均数
138168.7
21353.3
3616.6
428.5
525.3
623.6
702.5
801.5
901
10~16.8
合計64-

山形県の物病院数と全国平均を比較してみましょう。
山形では就業獣医師数が115人、うち95人が小動物診療施設勤務で、産業動物に従事する獣医師数が19人で小動物診療を希望する獣医師の割合が産業動物の従事する獣医師数より多いです。山形県の動物病院では、獣医師1名の病院が6割を超え、獣医師が複数勤務している病院の方が少ない状態です、大規模な動物病院の数が少ないと言えるでしょう。将来、自分がどのような獣医師を目指すのかをしっかり考えて勤務希望先を考えましょう。

④犬の登録数と獣医師の関係

1.犬の登録数
登録頭数: 37,257頭
狂犬病予防注射頭数: 33,454頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
392頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
12.3件(27位)

北里大学獣医学部付属動物病院

山形県には獣医学部のある大学がありませんので、青森県にある北里大学獣医学部付属動物病院を紹介します。北里大学獣医学部には付属動物病院が併設されています。小動物診療センターと大動物診療センターがあり、1次診療動物病院からの完全予約制になっています。

①所在地

〒034-8628 青森県十和田市東二十三番町35-1
TEL
小動物診療センター 0176-24-9436
大動物診療センター 0176-24-9368
HPはこちら

②診療科目と診療日

1. 診療科目
【小動物診療センター】
・一般内科 ・眼科 ・循環器科 ・軟部外科/整形外科 ・神経科・放射線科
【大動物診療センター】
・大動物臨床科 ・繁殖科

2.診療日
月~金曜日(土日祝は休診・大学指定日休診)
9:00~11:00 / 13:00~15:00

③受診方法

かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。 (情報は変わることがありますので、必ずHPをご確認ください)

まとめ

山形県の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。山形県は人口10万人当たりの動物病院数は13.9件で、人口当たりの動物病院数は平均的で全国順位では27位になっています。獣医師1名当たりの犬の登録件数は392頭と東京の195頭に比較すると約2倍となります。年間で担当できる動物の数が少なく一症例をじっくり診察可能とも言えますが、経験数は少なくなる傾向があると言えるでしょう。転職や就職活動の際には病院見学を重ね、じっくり検討しましょう。

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