動物病院と統計2024.01.23
兵庫県の統計と動物病院
兵庫県は近畿地方の西端に位置する県です。北は日本海、南は瀬戸内海に接しています。県のほぼ中央を日本標準子午線が南北に通過します。瀬戸内海側は阪神工業地帯や播磨臨海工業地帯といった重化学工場が集まっている地域です。そのほか、観光業も盛んで、自然公園も多く、中部から北部にかけては農林水産業が主な産業になっています。夏は全般で高温で、フェーン現象による猛暑日が発生することがしばしばあります。冬は瀬戸内海側は温暖ですが、内陸部や北部は比較的寒い気候です。そのような主要都市である兵庫県の動物病院、獣医師数と兵庫県の統計について紹介したいと思います。
兵庫県の統計データ(2023年12月)
①人口、面積
人口:5,366,910人(7位 日本の総人口の約4.33%、人口密度:639.19人/km2)
1位 神戸市 1,510,917人(人口密度:8,356人/km2)
※神戸市の人口密度は複数の区に分類されて発表されているので、最も多い神戸市長田区の密度です
2位 姫路市 528,459人(人口密度:992人/km2)
3位 西宮市 482,796人(人口密度:4,859人/km2)
面積:8401.02km2(12位)
1位 豊岡市 697.55km2
2位 穴粟市 658.54km2
3位 姫路市 534.56km2
②人口増減
1.人口推移
兵庫県の人口は2023年12月時点で536万6910人となり、前年比で33,508人の減少となりました。兵庫県の人口は大正時代から増加を続け、2005年の559万0601人をピークに緩やかに減少を続けています。兵庫県でも少子化が進んでおり、2022年の発表では前年比6%減の3万4879人となっています。1970年第二は出生率は9万人台でしたが、2018年には4万人を割り込み、今後も少子化が緩やかに進む見込みです。
2.高齢化率と出生率
1)高齢化率
兵庫県の住民基調台帳に基づく発表で、2023年3月時点の兵庫県の高齢者(65歳以上)人口は155万人で、高齢化率は29.3%となりました。高齢化率は地域による差も大きく、佐用町では44.1%、香美町では43.7%となっています。兵庫県の高齢化率は2030年に32%、2040年には38%と増加する予測です。
2)出生率
厚生労働省の発表によると2022年度の兵庫県の出生数は34,879人で、前年より約2092人減少し、全国で31番目となっています。出生率は1.31で全国平均の1.26を上回りました。兵庫県では2024年まで5か年の子育て支援施策などをまとめた「ひょうご子ども・子育て未来プラン」を策定し、少子化対策に力を入れています。
兵庫県の特徴
①地理的・産業的特徴
兵庫県は近畿地方の西端に位置し、北は日本海、南は瀬戸内海に接する県です。ほぼ中央を日本標準時子午線(東経135度)が南北に通過します。
南部の瀬戸内海沿岸は阪神工業地帯や播磨臨海工業地帯といった日本有数の重化学工業が集まる地域で、多くの工場があります。南東部の阪神間は大阪府のベッドタウンとしての性格があり、兵庫県の人口が集中しています。
また、兵庫県は農業や漁業も盛んで農産物で一番生産量が多いのが米です。それにちなんだのか、神戸市灘区から西宮市にかけて酒造りが盛んな地域があります。そのほか、野菜や果物といった農作物の生産も盛んです。兵庫県は北は日本海、南は瀬戸内海がありますのでそれぞれの気候を生かした漁業がおこなわれており、漁獲量は全国18位の41,598トンです。
②平均賃金(令和5年9月毎月勤労統計調査)
令和5年の1人平均月間現金給与総額は、249,584円で、前年比1.3%増でした。
令和5年10月1日より最低賃金が960円から1,001円に引き上げられます。全国平均は1,004円ですので3円高いです。総務省統計局が2022年に発表した消費者物価地域差指数では、兵庫県についての指数では平均100.0よりも若干下回り99.4です。また、住居費は1LDK~2DKの場合、兵庫市は最も高いところ(兵庫市中央区)で9.1万円以上と高く、同地域の3LDK~では14.4万円以上です。それ以外の兵庫市では4.6万円(神戸市北区)~7.8万円(神戸市東灘区)となり住む場所によって生活費の負担は大きく変わります。住居費、交通費、通勤時間などの兼ね合いをよく考え住む場所を決定していく方が良いでしょう。
動物病院に関する統計(令和3年11月24日現在 令和2年獣医師の届け出状況)
①診療施設数
687件(産業動物 123件、小動物 564件) 全国8位
②就業している獣医師数の合計
産業動物、小動物診療施設の合計で693名(産業動物 46人、小動物 639人、その他の動物 8人)
③兵庫県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)
雇用獣医師数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10~ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
兵庫県の施設数 | 384 | 105 | 24 | 16 | 6 | 5 | 3 | 7 | 0 | 14 | 564 |
全国平均数 | 168.7 | 53.3 | 16.6 | 8.5 | 5.3 | 3.6 | 2.5 | 1.5 | 1 | 6.8 | - |
雇用獣医師数 | 兵庫県の施設数 | 全国平均数 |
---|---|---|
1 | 384 | 168.7 |
2 | 105 | 53.3 |
3 | 24 | 16.6 |
4 | 16 | 8.5 |
5 | 6 | 5.3 |
6 | 5 | 3.6 |
7 | 3 | 2.5 |
8 | 7 | 1.5 |
9 | 0 | 1 |
10~ | 14 | 6.8 |
合計 | 564 | - |
兵庫県の物病院数と全国平均を比較してみましょう。
兵庫では就業獣医師数が693人、うち639人が小動物診療施設勤務です。1名の獣医師を雇用している病院は384件で割合としては68%で最も多く、2名以上の獣医師を雇用している動物病院が全体の32%を占めています。兵庫は施設数が多く、獣医師が10人以上いる動物病院が14件あります。1次診療の動物病院から2次診療の動物病院までが、ほぼまんべんなくあると考えてもよいでしょう。
④犬の登録数と獣医師の関係
1.犬の登録数
登録頭数:295,835頭
狂犬病予防注射頭数:198,638頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
462頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
11.2件(29位)
大阪公立大学獣医学部付属獣医臨床センター
兵庫県には獣医学部のある大学がありませんので、大阪府にある大阪公立大学獣医学部付属獣医臨床センターを紹介します。
2022年4月1日に大阪府立大学と大阪市立大学が統合し大阪公立大学が誕生しました。それに伴い大阪公立大学に付属する獣医臨床センターも改名しました。地域の2次診療病院として11の診療科がありますが、2022年10月1日から、りんくう動物救命医療協会と協働して夜間救急診療を開始しました。
①所在地
〒598-0048 大阪県泉佐野市りんくう往来きた1-58 大阪公立大学臨床センター
TEL:072-463-5082
HPはこちら
②診療科目と診療日
1.診療科目
・腫瘍科・軟部組織外科・神経、整形外科・眼科・循環器科・内科・大動物科・検査科・画像診断科・麻酔科・消化器科・夜間救急診療科・あんしん獣医療相談室
2.診療日
【腫瘍科】月・水・木・金(午前)曜日(手術:火曜日)
【軟部組織外科】月・水・木・金(午前)曜日(手術:火曜日)
【軟部組織外科】月・水・金(午前)曜日(手術:火曜日)
【眼科】木曜日
【循環器科】月曜日
【内科】月・火・水・木・金(午前)曜日
【画像診断科】木(午前)曜日
【大動物科】不定(かかりつけ獣医師と相談の上、診療日が決まります)
診察受付時間:
AM9:00~12:00(受付終了11:30)、PM13:00~17:00(受付終了 16:00)
③受診方法
かかりつけ動物病院からの紹介予約制になります。紹介状がないと受診することはできませんので注意してください。
まとめ
兵庫県の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。兵庫県の動物病院数は全国28位で、多くの獣医師が勤務しています。人口10万人当たりの動物病院数は11.2件と東京に近い構成です。獣医師1名当たりの犬の登録件数は462頭と東京の195頭に比較すると3倍近く多い計算になります。単純計算ではありますが、多くの症例を担当することができる可能性が高いでしょう。就職、転職の際の参考にしていただければ幸いです。