動物病院と統計2023.12.19

群馬県の統計と動物病院

群馬県は関東の北西部、東京から100㎞県内に位置しています。南部には平坦地が広がり、北部や西武は山地が多く占める内陸県です。北部は標高が高い地域が多く夏は涼しく、冬は雪や雨が降る日が多くスキー場がたくさんあります。南部は全国で最高気温が話題になる地域があります。草津温泉など温泉が多くある地域のため観光で有名ですが、工場立地件数や製造品出荷額も非常に多く工業も盛んです。
そのような群馬県の動物病院、獣医師数と群馬県統計について紹介したいと思います。

目次

  1. 群馬県の統計データ(令和4年 国勢調査)
  2. 群馬県の特徴
  3. 動物病院に関する統計(令和3年11月24日現在 令和2年獣医師の届け出状況)
  4. 関東の獣医学部付属動物医療センター
  5. まとめ

群馬県の統計データ(令和4年 国勢調査)

①人口、面積

人口:1,941,681人(全国18位、人口密度:298.77人/km2)
1位 高崎市 372,973人(人口密度:807人/km2)  
2位 前橋市 332,149人(人口密度:1,066人/km2)
3位 太田市 223,014人(人口密度:1,271人/km2) 
     
面積:6,362.28km2(21位)
1位 みなかみ町 781.8km2
2位 高崎市 459,16km2
3位 沼田市 443.46km2
             

②人口増減

1.人口推移
群馬県の人口は、昭和30年代までほぼ一貫して増加を続けていましたが、2000年の2,024,852人をピークに減少に転じました。2010年に2,008,068人に減少し、2020年に1,939,110人にさらに減少しました。2030年には1,763,000人となり、2022年に比べて150,192人も減少すると予測されています。このペースの減少が続くと2040年には人口が158万人になる可能性があります。

1)高齢化率
群馬県の高齢化率は2023年10月現在で30.8%で、これは、全国平均の29.0%を1.8ポイント上回っており、全国順位では28位です。高齢化率は2025年には31.3%(全国:29.6%)、2040年には37.7%(全国:32.3%)、2045年には39.4%(全国:36.3%)と増加する見込みです。2045年の人口予測が1,552,950人ですので、611,862人が65歳以上という状態になります。
地域別の高齢化率をみると南牧村が最も高く、人口が1,395人のところ65歳以上の人口951人で高齢化率が68.2%です。反対に大泉町では人口が41,762のところ65歳以上の人口が9,814人で約23.5%です。地域差は大きいですが、群馬県全体で今後も高齢化が進むことは避けられないでしょう。

2)出生率
群馬県の人口統計調査によると出生者数は昭和22年ごろの第一次ベビーブーム時の54,605人をピークに一時減少傾向がありましたが、昭和48年ごろの第二次ベビーブーム時に一時盛り返したのち減少の一路をたどっています。2022年の出生数は10,688人で出生率は1.32です。前年の1.35より0.03ポイント減少し、全国の出生率1.26をわずかに上回り全国で36位となっています。少子化の原因として挙げられるのは、未婚率の上昇です。2020年における25~29歳男性の未婚率は73.6%、女性は58.9%です。20年前の2000年の同年齢層の未婚率は男性で約63%、女性で約37%でした。この20年間で未婚率が大きく増えています。個人の意識の変化や、子育てに対する経済的・心理的負担などが理由とみられます。

群馬県の特徴

①地理的、産業的特徴

群馬県は関東地方の北西部を占め、県南東部には関東平野、県西部・北部に山地を有する内陸県です。気候は北部と南部で差が大きく、南部では夏に全国最高気温を記録することで知られています。雷の発生も多く、一部地域は雷の通り道となっておりかみなり銀座と呼ばれています。冬は南部では比較的穏やかな気候が多く真冬日は少ないですが、北部では積雪量の多い地域もあります。
福島県との県境部には自然環境保護のために自家用車の乗り入れが規制された尾瀬国立公園があったり、草津温泉を代表とする温泉が多い県としても有名です。
米麦栽培、養蚕、繊維工業などの伝統工業に加え畜産・農業・機械工業も盛んです。工場立地件数は年間52件で全国4位、製造品出荷額は8兆9,819億円で全国12位です。

②平均賃金(令和5年9月勤労統計調査)

令和5年9月の1人平均月間現金給与総額は、265,442円で、前年比2.8%増加でした。
令和5年10月1日より最低賃金が895円から935円に40円引き上げられました。全国平均は1,004円ですので69円低いです。
総務省統計局が2022年に発表した消費者物価地域差指数は96.2で全国46位、全国平均(100)との差は▲3.8で物価が安い県です。
また、群馬県の住居費は2LDKの場合は最も高い吾妻郡で6.1万円(マンション)、最も安いのは桐生市の4.5万円(マンション)です。中心部に近い場合は相場が高くなるのは群馬県に限ったことではありませんが、全体的に家賃は安く2LDKの一戸建てで最も家賃が高い館林市でも6.8万円です。住居費はかなりおさえることが可能です。

動物病院に関する統計(令和3年11月24日現在 令和2年獣医師の届け出状況)

①診療施設数
294件(産業動物 99件、小動物 199件)

②就業している獣医師数の合計(個人診療施設のみ)
産業動物、小動物診療施設の合計で294名(産業動物 62人、小動物 232人)

③群馬県における雇用獣医師数別の施設の状況(小動物診療病院のみ)

雇用獣医師数 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10~ 合計
群馬県の施設数12843137031004199
全国平均数168.753.316.68.55.33.62.51.516.8-
雇用獣医師数 群馬県の施設数全国平均数
1128168.7
24353.3
31316.6
478.5
505.3
633.6
712.5
801.5
901
10~46.8
合計199-

群馬県は全国で15番目に動物病院の数が多く、全国の動物病院の約1.5%が群馬県に存在します。勤務獣医師数の多い病院は比較的少なく、ひとり獣医師の動物病院が多い傾向にあります。

④犬の登録数と獣医師の関係

1.犬の登録数
登録頭数: 106,627頭
狂犬病予防注射頭数: 76,819頭
2.小動物獣医療1人あたりの犬登録数
459頭/人
3.人口10万人あたりの動物病院数
14.7件(10位)

関東の獣医学部付属動物医療センター

群馬県には獣医学部のある大学がありませんので、関東の獣医学部付属動物医療センターを紹介します。

①東京大学 農学部獣医学課程
HPはこちら

②日本大学 生物資源科学部
HPはこちら

③日本獣医生命科学大学
HPはこちら

④東京農工大学農学部
HPはこちら

⑤麻布大学
HPはこちら

まとめ

群馬県の紹介と動物病院の状況についてご紹介しました。群馬県は関東地方の北西部に位置し、関東地方では2番目に面積が大きな県です。山、高原、湿原、湖沼、河川など変化に富む豊かな自然があふれています。南部には全国最高気温が話題になる地域もありますし、北部では冬に雪が降る日が多く、たくさんのスキー場があり、ウインタースポーツが楽しめます。尾瀬高原のようなや草津温泉など観光名所もたくさんありますし、農業や工業も盛んです。動物病院の数は全国15位ですが、獣医学部のある大学はありません。さらに、獣医師の数が7人以上の規模の大きな病院もあり、獣医師一人あたりの犬登録数が多いので経験できる症例数は多いでしょう。近県には大学病院が複数あり、高度医療の知識や技術を身に着けたい、スペシャリストを目指したいという獣医師にとっては非常に勉強になります。自然豊かで、物価や家賃が安いことも魅力の一つですので、転職・就職の際の候補としてあげてみてはいかがでしょうか。

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